22話 忍びの地図 ページ22
フレッドが持ってきたのは、何も書いていない薄汚れた羊皮紙だった。
私たちはこれが役に立つとわかっていた。
クリスマス休暇いっぱいかかって、私たちはやっとその正しい使い方を見つけ出した。
「われ、ここに誓う。われ、よからぬことをたくらむ者なり」
フレッドが杖先を羊皮紙に軽く触れてそう言うと、
たちまちそこからインクの線が現れ、文字を形作った。
ムーニー、ワームテール、
パッドフット、プロングス
四人の名前が浮かび上がり、そのプロングスの名前の後に、インクはもう一つ何か文字を作ろうとした。
しかし、何か読めない文字が渦巻いた後、それは消えてしまった。
その後、文字はこう言った。
われら「魔法いたずら仕掛人」のご用達商人が
お届けする自慢の品
忍びの地図
私たち三人はハイタッチした。
インクはホグワーツ城と学校の敷地全体の詳しい地図を作り出し、知らない抜け道がたくさん描かれていた。
「もはや俺たちは敵なしだ」
ジョージが満足げに羊皮紙を眺めた。
私たちは興奮を抑えきれなかった。
冬はあっという間に姿を消し、春なんて風がひと吹きするうちに過ぎてしまった。
もう肌寒さもなくなり、暖かな風が頬をかすめる時期になっていた。
『涙が出そう...』
私は深いため息をついた。
たった今、今日の全ての授業が終わったが、学期末の試験に向けて、宿題が山積みなのだ。
私は別に勉強が苦手なわけではないが、この量には誰だって弱る。
「まあ、そう落ち込むなって。俺たちにはこの忍びの地図があるじゃないか！」
フレッドは意気揚々とそう言った。
悪戯には大いに役立つ忍びの地図だが、宿題を前にしたってただの紙切れでしかない。
呪文を唱えたら宿題の模範解答が現れるというなら別だが。
二人がどうしてそこまで余裕でいられるのか、私には謎だった。
『もちろん三人でやるでしょ？』
「ああ。土曜日は図書館に集合だ」
ジョージが言った。
私たちは息抜きに新しい悪戯を考えながら、
なんとか宿題をやりきり、無事に試験を終えた。
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空 - 短編集の続編ってもうないんですか？面白いので少し寂しいです笑 (2018年7月8日 22時) (
レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
カフェオレ(プロフ) - はじめまして、前作から読んでます！最近は更新がいっぱいで嬉しいです！これからも頑張ってくださいね！ (2018年1月8日 21時) (レス) id: 415ee3fd30 (このIDを非表示/違反報告)
イレイ(プロフ) - 侑奈さん» とても嬉しいです！！ありがとうございます、頑張ります！ (2017年7月27日 23時) (レス) id: 4b28bb3169 (このIDを非表示/違反報告)
イレイ(プロフ) - 美南さん» ありがとうございます！頑張って更新しますので、これからもよろしくお願いいたします！ (2017年7月27日 23時) (レス) id: 4b28bb3169 (このIDを非表示/違反報告)
イレイ(プロフ) - アーヤさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2017年7月27日 23時) (レス) id: 4b28bb3169 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イレイ | 作成日時：2016年12月20日 21時
