17話 優しい沈黙 ページ17
授業が終わり廊下に流れ込む生徒の声は、様々だった。
グリフィンドール生はセブルスが恥をかいたことに嬉々として、少しは私を見直したらしかった。
スリザリン生は私のせいで減点されたことに腹を立て、ひどく悪態をついていた。
フレッドとジョージは申し訳なさそうに私に目配せしたので、私はにこりと微笑んだ。
「どういうつもりだ」
彼の声はまだ少し怒りで震えていた。
『ごめんなさい』
私が素直に謝ったので、彼は少し驚いたような顔の後、ため息をついた。
「我輩をからかうのも大概にしろ。次はないと、肝に命じておくのだな」
『えっ、罰則は？』
私はとぼけたような顔で聞いた。
散々馬鹿にされて、いつものセブルスなら黙っているものか。
「貴様に罰則が意味をなさないことはよくわかっている。あの双子を庇ったことも」
セブルスは呆れているらしかった。
「全く、あれを庇う意味が到底理解できんな」
たしかに、セブルスに嘘をつこうとした私が馬鹿だった。
すっかり彼を打ちのめしたつもりだったが、彼の方が一枚上手だったのだ。
『お願いだから、他の先生にはこのことは秘密にして！』
私は彼に何度もそう言ったが、彼は何も言わなかった。
完全に諦めていたのだが、どうやらその後もセブルスは誰にも何も言っていないらしかった。
マクゴナガル先生はいつもどおり双子に目を光らせているだけだった。
「ごめん！A」
次の授業に向かう途中、ジョージは申し訳なさそうに両手を合わせた。
フレッドが言った。
「でも助かったぜ。あの時は本当にどうなることかと...」
マクゴナガル先生とすれ違ったので、フレッドは慌てて口をつぐんだ。
『...感謝するなら、スネイプ先生にするべきかも』
フレッドとジョージは驚きのあまり抱えていた教科書を落としてしまった。
「正気かよ！？誰がスネイプなんかに！」
フレッドが教科書を拾い集めながら言った。
『でも、あの人は本当は貴方達がやったことに気づいてたよ』
「それなのに見逃したって？グリフィンドールの減点に目のないあいつが？」
ジョージはにわかには信じがたいというような口ぶりだ。
「スネイプが君と親しいのはわかるけど...」
『まあ、信じる信じないは勝手だけど、彼は貴方達が思っているよりずっといい人間だよ』
「我輩がどうかしましたかな？」
冷たい声色に一瞬背筋が凍った。振り返ると、そこに本物が立っていた。
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空 - 短編集の続編ってもうないんですか？面白いので少し寂しいです笑 (2018年7月8日 22時) (
レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
カフェオレ(プロフ) - はじめまして、前作から読んでます！最近は更新がいっぱいで嬉しいです！これからも頑張ってくださいね！ (2018年1月8日 21時) (レス) id: 415ee3fd30 (このIDを非表示/違反報告)
イレイ(プロフ) - 侑奈さん» とても嬉しいです！！ありがとうございます、頑張ります！ (2017年7月27日 23時) (レス) id: 4b28bb3169 (このIDを非表示/違反報告)
イレイ(プロフ) - 美南さん» ありがとうございます！頑張って更新しますので、これからもよろしくお願いいたします！ (2017年7月27日 23時) (レス) id: 4b28bb3169 (このIDを非表示/違反報告)
イレイ(プロフ) - アーヤさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2017年7月27日 23時) (レス) id: 4b28bb3169 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イレイ | 作成日時：2016年12月20日 21時
