16話 赤く染まる土気色 ページ16
虹色の玉が、放物線を描きながら宙を舞った。
そして計算通り、フレッドが言っていたスリザリンの太った生徒の鍋にダイブした。
次の瞬間、バーンという大きな音が教室中に響いた。
鍋から色とりどりの煙が溢れ出し、バチバチと七色の花火が炸裂した。
さっきまで鍋の中でぐつぐつと音を立てていたふくれ薬があらゆるところに飛び散った。
そのスリザリン生はもちろん、周りの生徒までもが、ふくれ薬がかかってあらゆるところが膨れ上がって滑稽だった。
私たちは笑いをこらえるのに必死だった。
教室中が混乱の渦だったが、セブルスがギロリと双子を睨みながら怒鳴った。
「犯人を見つけたらただでは済ませんぞ...」
まるで、犯人を気がすむまで炙り殺してやるという目つきだった。
彼が片付けに追われている中、私は二人に今朝言っていたことについて話した。
『そういえば今朝、あともう一回でも悪戯が見つかったらマクゴナガルに殺される！とかなんとか言ってなかった？』
私がにやりと笑うと、二人は凍りついた。
「「...まずい」」
二人は青い顔を見合わせて固まっている。
「気づいてて言わなかったな！」
ジョージが私を責め立てた。
私は勝ち誇ったような笑みを浮かべて、知らん顔をした。
双子はさらに私を責めようとしたが、それどころではなくなった。
鬼の形相のセブルスが双子の前に立っていた。
机の下でフレッドが私のローブの裾を引っ張るので、私はやれやれとため息をついた。
「説明してもらおう」
双子にとってセブルスなど屁でもないのだろうが、今はマクゴナガルのことで頭がいっぱいらしい。
二人は完全に硬直している。
『先生、やったのは私です』
クラス中が静まり返った。
セブルスは双子を睨んでいた目を私に向けた。
「ほう」
彼は値踏みするような瞳で私を見つめた。
私は怯まず、はきはきと答えた。
『少し悪戯しようと思って』
「少し、だと？」
彼の頬がピクピクと痙攣していた。
しかし、彼はスリザリンを減点したくなかった。そこで私に残らせ、あとで減点するという程にしようとしていた。
「ミスグレーパー、この後ーー」
『先生、減点しないんですか？』
セブルスはうろたえた。
『この双子が何かやらかすたびに、いつも50点も減点なさってるのに。私は当然の報いだと考えています』
彼の土気色の顔が怒りでみるみる紅潮した。
「...スリザリン50点減点。貴様はこの後ここに残りたまえ」
私はにやけが止まらなかった。
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空 - 短編集の続編ってもうないんですか？面白いので少し寂しいです笑 (2018年7月8日 22時) (
レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
カフェオレ(プロフ) - はじめまして、前作から読んでます！最近は更新がいっぱいで嬉しいです！これからも頑張ってくださいね！ (2018年1月8日 21時) (レス) id: 415ee3fd30 (このIDを非表示/違反報告)
イレイ(プロフ) - 侑奈さん» とても嬉しいです！！ありがとうございます、頑張ります！ (2017年7月27日 23時) (レス) id: 4b28bb3169 (このIDを非表示/違反報告)
イレイ(プロフ) - 美南さん» ありがとうございます！頑張って更新しますので、これからもよろしくお願いいたします！ (2017年7月27日 23時) (レス) id: 4b28bb3169 (このIDを非表示/違反報告)
イレイ(プロフ) - アーヤさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2017年7月27日 23時) (レス) id: 4b28bb3169 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イレイ | 作成日時：2016年12月20日 21時
