魔法界の恋物語短編集 (ページ7)

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『私人魚の血が入ってるんです』

リ｢…全然化け物じゃないじゃないか

綺麗な生き物だよ？｣

『ふふっ、先生知ってるでしょ？

人魚は人間の心臓を食べるって言われてるの』

先生はハッとしたような顔をして

少し悩んでいた

リ｢でもどうしてそれで君が化け物なんだい？

君は人魚じゃなく人間だ｣

『私も先生とおなじ

満月の夜は人魚になっちゃうの』

満月の夜は独りぼっちになった気がして嫌いだった

でも貴方が来てから私がいる湖にも

貴方の遠吠えが聞こえるから安心できた

独りじゃない

貴方がそばにいてくれる

そんな気がして

そんなこと伝えれば抱き締めてくれる先生

思いがけず身体が固まる

『せん、せ？』

リ｢つらかったね、よく頑張った｣

先生のその言葉を合図に

涙が頬を伝う

どうしていつも私の欲しい言葉をくれるの？

あぁほんとにもう、狡いなぁ

『せんせ、やっぱり私先生が好き』

リ｢私もAが好きだよ｣

『っえ？！』

リ｢もう我慢しなくていいのかなぁって思って

同じ悩みを抱えてるなんて思ってなかったから｣

そんなことを言って私にキスを1つ

離れれば額をくっつけて鼻をスリスリしてくる先生

リ｢Aの涙は真珠になるんだね

ほら見て、星みたいで綺麗だ｣

足元を見ると散らばっている真珠

初めて人魚の自分を肯定して貰えた

綺麗だと言ってくれた

貴方の言葉一つで今まで嫌いだったものを

少しだけ好きになれる

貴方を好きになってよかった

それは生まれて初めて幸せな満月の前日だった＿＿