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お店を出て、今度は多くの店が並ぶ駅前へと向かった。向かう道中、最初よりも私の口数が少なくなってしまったのはさっきの失敗がまだ私の頭の片隅に残っていたから。でも目ざといトントンはそんな私に大丈夫か？と声を掛けてくれる。心配そうに寄せられた眉と赤の瞳、それを見上げて私は唇を引き締めた。
大丈夫。失敗なんてまだ一個だけ。そもそも此れからが本番なんだ。落ち込んでてどうするの私。小さく深呼吸をしてから、私は「大丈夫！」と笑った。せっかくのお出かけなのにトントンに心配ばかりもさせられないから。トントンは私を少し見つめた後、少しだけ苦笑いを浮かべて無理しすぎたらあかんで、と告げた。
「此れからはどうするんや？」
「トントンと一緒に行きたいお店があって」
「ほぉん、何処なん？」
「ひっみつー！」
肩を並べて歩いていた脚を少しだけ早めて、トントンの目の前に躍り出る。悪戯ぽく笑えば、トントンはなんやそれと笑ってくれた。うん、大丈夫。まだ私は元気だ。
私がトントンと一緒に行きたかった場所。それは最近出来た小さな雑貨屋だった。お出かけのプランを考えながら歩いていた大学からの帰り。道中、その店頭で見かけた二頭セットの小さな豚のぬいぐるみに直ぐ様思い浮かんだのはトントンだった。
アイコンにまでしてるのだからトントンは豚が好きなのかなと思ったのだ。それにセットだからお揃いにもできる。それを買ってプレゼントにしてしまおうと思い立ったのだ。
でも。
「え、ない…」
数日前まで並んでいたそれはなく、SOLD OUTと書かれたボードがあるだけだった。見かけたのはほんの前だったから、その間に売り切れることはないと思っていたのに。あぁ、こうなるなら先に買っておけばよかったと後悔しても遅い。
あからさまに気分を落とした私の隣に立ったトントンは無言で横から顔を覗き込ませる。その視線の先にあった商品名が掛かれたボードに慌てて視線を遮ろうにも遅かった。
「豚さんのぬいぐるみセット、…これが欲しかったんか？」
「…うん」
欲しかったものもバレて何だか恥ずかしくて仕方がない。今日は運がないのかな、そう誤魔化す様に笑って見せた私。
でもトントンは何も言わず、少し考え込む。続くだろう言葉の先を聞くのが怖くて、無言で俯いていれば「A」と呼ぶ声が聞こえた。顔を上げると想像していなかった無邪気に笑う顔があって言葉を失う。
「なら、ちょっとショッピングセンター行こうや」
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ももね(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます！喜んでくださったようでうれしく思います。私自身も「お友達から始めませんか、」は特にお気に入りのお話でしたので続編を書くのはとても楽しかったです！この度はリクエストありがとうございました！ (2020年5月14日 22時) (
レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - ももねさん» ももね様！リク消化ありがとうございます！もう好きすぎて言葉に表せないくらい好きです！ももね様！本当にありがとうございました！愛してます！ (2020年5月13日 22時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
ももね(プロフ) - 天真爛漫さん» ありがとうございます！天真爛漫さまのご希望に添えたなら幸いです。今後ともよろしくお願いします！ (2020年5月8日 10時) (レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
天真爛漫 - 作者様、素敵な作品を書くてくださり、ありがとうございました！！ (2020年5月6日 21時) (レス) id: 545c0410b5 (このIDを非表示/違反報告)
ももね(プロフ) - りんごさん» はじめまして！コメントありがとうございます。ありがとうございます…！好きなフレーズを題名にさせてもらいました！^^リクエスト承りました！執筆が完了次第投稿させていただきます。よろしくお願いします！ (2020年5月3日 23時) (レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももね | 作成日時：2020年4月13日 19時
