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トントンに連れられて大型ショッピングセンターへと足を踏み入れた。そういえばトントンも買いたいものがあると言っていたからそれを買いに来たのかな、とよくよく考えずにトントンの後を追いかける。エレベーターに乗り、降りて。それから彼が向かった先は。
「…ゲームセンター？」
煌びやかな電子の光にあふれた場所だった。買い物に来たんじゃないの？と問いかけるとトントンは、今度は悪戯ぽく笑い「こっちや」と手招きする。大人びた雰囲気しか見たことがない私は、彼の少し男の子らしい一面に微かに胸が高鳴ったことを感じながら着いていく。
奥へ奥へと進んだ後、トントンはひとつのクレーンゲームの機械の前で足を止めた。其れに倣って私も足を止め、興味が向くままその景品を覗き込む。そして、目を見張った。
小さな空間に敷き詰められていたのは、両腕で抱きかかえられる様なサイズの豚のぬいぐるみだった。
「豚のぬいぐるみが欲しかったんやろ？」
「そう、だけど」
「ちょっとでかいかもしれへんけど、」
そう言いながらトントンは100円玉を投入する。その光景に我を取り戻した私は、本当は彼にプレゼントしたかっただけだったことを思い出してそれを口にしようとした、しかけた。けど。
「あ゛ー…やっぱ一回じゃ取れへんな。しゃあない、もう一回」
クレーンから滑り落ちたぬいぐるみに少し苛立たしく舌打ち、それからもう一回とまた硬貨を取り出して入れる。ボタンを押すタイミングを推し量るように、真剣に見つめる横顔はどうしてだか格好良くて。止めようとした開いたはずの口から零れたのは、彼が取れるよう応援する言葉だけだった。
＊
結果500円を犠牲にして豚はクレーンから滑る落ちることなく、受け取り口へと落ちてきた。落ちた瞬間、私たちふたりは顔を合わせてハイタッチをした。その時の無邪気に笑っていたトントンの顔を私は忘れないだろう。
そして今。私は可愛い豚さんを抱えながらひとりベンチに座っていた。目的だった本屋に行ったトントンを待つためだ。本当はついていきたかったけど、「それを持っとったらみんなに見られるで？」と言われた為渋々引き下がった。
でも、遅いなあ。
時計を確認して、あれから40分ぐらい過ぎていることを知る。20分ほどで戻ってくると告げた彼の姿はまだ見えない。
何かあったのかな。なんとなく気になった私は、ぬいぐるみを抱きかかえたまま立ち上がった。
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ももね(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます！喜んでくださったようでうれしく思います。私自身も「お友達から始めませんか、」は特にお気に入りのお話でしたので続編を書くのはとても楽しかったです！この度はリクエストありがとうございました！ (2020年5月14日 22時) (
レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - ももねさん» ももね様！リク消化ありがとうございます！もう好きすぎて言葉に表せないくらい好きです！ももね様！本当にありがとうございました！愛してます！ (2020年5月13日 22時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
ももね(プロフ) - 天真爛漫さん» ありがとうございます！天真爛漫さまのご希望に添えたなら幸いです。今後ともよろしくお願いします！ (2020年5月8日 10時) (レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
天真爛漫 - 作者様、素敵な作品を書くてくださり、ありがとうございました！！ (2020年5月6日 21時) (レス) id: 545c0410b5 (このIDを非表示/違反報告)
ももね(プロフ) - りんごさん» はじめまして！コメントありがとうございます。ありがとうございます…！好きなフレーズを題名にさせてもらいました！^^リクエスト承りました！執筆が完了次第投稿させていただきます。よろしくお願いします！ (2020年5月3日 23時) (レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももね | 作成日時：2020年4月13日 19時
