「す」から始まり「き」で終わる二文字 ／ rbr ＊request ページ35
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ずっと、好きな女の子がおる。
その子とは幼稚園の頃からの付き合いで、いわゆる幼馴染という関係。
好きだと気づいたのは、中学の入学式のとき。中学校へ向かう道にある桜並木の下を歩いていく彼女と、後を追う俺。
ロボロと呼ばれて向いた瞬間、風で散る桜。その中で黒髪を靡かせて振り向き、俺に笑いかけたその表情。
一瞬だった。
顔が燃えるように熱くて、持久走をしたんじゃないかってくらいに高鳴る心臓。あぁ、俺。この子のことが好きなんやな。その事実がすとんと胸の中に落っこちてきた。
それから。
中学を共に過ごし、高校も頑張って彼女と同じ高校を目指した。「また同じだね」と笑う彼女に、同じ高校に通いたかったなんて素直に言えない俺は、「そうやな」と曖昧に笑って見せた記憶はまだ新しい。
自他認める程に照れ屋で臆病な俺は、彼女に恋してから3年経っても未だ告白が出来ずにいた。
いや自身のプライドの為に言えば、告白しようとしたことはある。でも、いざ面と向かうとその二文字が口から出てこん。顔を赤くして、口を閉ざしたまま立ち尽くす俺に、優しい彼女は柔く微笑むだけで。
そんな不戦敗を10回以上をも繰り返し、気づけばもう高校二年生の終わり頃。
そんな時だった。彼女に恋人が出来たと風の噂で聞いたのは。
聞けば相手はバスケ部のエースらしい。そんなまさかと疑っていた俺も、放課後の教室の窓から見たカップルを見れば認めないわけにはいかなかった。
よく考えれば、身長も大して高くないし頭もよくない俺が釣り合うわけがなかったのだ。そう必死に思い込んで、零れそうな嗚咽を必死に耐えた。
俺の初恋は、告げる間もなく散った。
＊
暦上では春でも実質まだ冬の季節。マフラーに顔を埋め寒さに体を震わせた。
おかげさまで進学先も決まり、あとは卒業を待つだけ。暇になるなぁなんて思いながら、学校からの帰り道を歩いていた。
それは、なんとなくだった。なんとなく視線を上げた公園。ブランコが微かに揺れている。
誰やろ、と特に何ともない好奇心でその一点を見つめながら歩いていく。背の高い茂が退けた先、ブランコに座る後ろ姿に足を止めた。
まぎれもない。彼女だった。
付き合ってからは毎日一緒に帰る姿を見ていたからか、ひとりきりでいるのを見るのは久しぶりだ。
此方に向けられた後ろ姿が寂しげに見えるのはどうしてだろう。
ふと浮かびだした疑問は尽きず、いつのまにか俺は進行方向を公園へと変更していた。
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ももね(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます！喜んでくださったようでうれしく思います。私自身も「お友達から始めませんか、」は特にお気に入りのお話でしたので続編を書くのはとても楽しかったです！この度はリクエストありがとうございました！ (2020年5月14日 22時) (
レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - ももねさん» ももね様！リク消化ありがとうございます！もう好きすぎて言葉に表せないくらい好きです！ももね様！本当にありがとうございました！愛してます！ (2020年5月13日 22時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
ももね(プロフ) - 天真爛漫さん» ありがとうございます！天真爛漫さまのご希望に添えたなら幸いです。今後ともよろしくお願いします！ (2020年5月8日 10時) (レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
天真爛漫 - 作者様、素敵な作品を書くてくださり、ありがとうございました！！ (2020年5月6日 21時) (レス) id: 545c0410b5 (このIDを非表示/違反報告)
ももね(プロフ) - りんごさん» はじめまして！コメントありがとうございます。ありがとうございます…！好きなフレーズを題名にさせてもらいました！^^リクエスト承りました！執筆が完了次第投稿させていただきます。よろしくお願いします！ (2020年5月3日 23時) (レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももね | 作成日時：2020年4月13日 19時
