揺らめく黄玉 ／ sha ページ38
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「Aやあ」
「…シャオちゃん、…」
扉を開けた先でへらりと笑う幼馴染の顔は真っ赤。名前と共に零れる吐息は酒臭くて、酔っ払ってますと言っているような様子に私はただただ呆れた顔を向けるしかない。というか他にどのような顔をすればいいのだろうか。寧ろ問いたい気分だ。
説明を乞うように彼を傍らで支えているトントンさんへと目線をやれば、小さく苦笑いを浮かべた。
「すまん、Aさん。コイツがAさんの家に行く行く聞かんくて」
「あぁ、いや。それは毎回の事なので気にしてませんけど。…何時になく泥酔してません？」
コイツと視線を向けられた張本人はマイペースにへらへらと笑っているだけ。頭を抱えたくなるのは仕方がないと思う。
私の幼馴染、シャオちゃんことシャオロンは酒に強いとは言えない部類だ。というか滅茶苦茶弱い。そして酔い方も酷い。なので日ごろから周囲からも私からも注意はしてるし、本人もそれなりにセーブしている、はずだ。
ここ最近、ここまで酔っているシャオちゃんを見ていなかったがゆえに、どうしてここまで酔うまで飲んでしまったのかが不思議で仕方がない。
「コイツよりも酒弱い後輩が面倒な上司に絡まれとって、」
「…で、代わりに酒を滅茶苦茶飲んだと」
「そういうことです」
如何にもシャオちゃんがやりそうなことだ。目の前で「頭痛いぃ…」という呟きが聞こえ、いや私も頭痛くなってきたよと返したくなったがやめた。
しかし、このままトントンさんに任せるわけにもいかない。彼だって疲れているだろうという事は、目元の隈が物語っている。取り合えず引き取りますと告げると助かるわ、と頬を緩めていた。
トントンさんに協力してもらい、リビングにあるソファに放り込んでもらう。ようやく荷物が無くなった肩をぐるぐると回しているトントンさん。いつもお疲れ様です。
何やら意味不明な単語を並べているシャオちゃんを放置して、トントンさんを玄関まで見送った。手を振りその後姿が見えなくなってから扉を閉めて、鍵もしっかりと掛けた。
そして残る問題はただひとつ。
「…どーしよっかなあ、あの酔っ払い」
酔いに酔った酔っ払いはとてつもなく面倒くさい。正直シャオちゃんじゃなければその辺の道路に放り出したいところだけれど、そうできないのは。
所詮、惚れた弱みなんだろうなぁ。
ぽつりと仄かに暗闇に落ちる呟きはそのままに、リビングへと戻った。
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ももね(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます！喜んでくださったようでうれしく思います。私自身も「お友達から始めませんか、」は特にお気に入りのお話でしたので続編を書くのはとても楽しかったです！この度はリクエストありがとうございました！ (2020年5月14日 22時) (
レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - ももねさん» ももね様！リク消化ありがとうございます！もう好きすぎて言葉に表せないくらい好きです！ももね様！本当にありがとうございました！愛してます！ (2020年5月13日 22時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
ももね(プロフ) - 天真爛漫さん» ありがとうございます！天真爛漫さまのご希望に添えたなら幸いです。今後ともよろしくお願いします！ (2020年5月8日 10時) (レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
天真爛漫 - 作者様、素敵な作品を書くてくださり、ありがとうございました！！ (2020年5月6日 21時) (レス) id: 545c0410b5 (このIDを非表示/違反報告)
ももね(プロフ) - りんごさん» はじめまして！コメントありがとうございます。ありがとうございます…！好きなフレーズを題名にさせてもらいました！^^リクエスト承りました！執筆が完了次第投稿させていただきます。よろしくお願いします！ (2020年5月3日 23時) (レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももね | 作成日時：2020年4月13日 19時
