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カフェオレを奢ってもらい涙も止まり落ち着いたころ。大先生に再び問いかけられた。扉の傍でひとり壁に背を預け立ち尽くし外を眺めているコネシマをちらりと伺いながら口を開く。
「大事なものを落としちゃって、」
「そんで？」
「コネシマにも手伝ってもらって探してたんだけど中々見つからなくて。それで、諦めかけてた私にコネシマが諦めていいのかって言ってくれて。…でも、私はどうすればいいのかわからなくて、そしたら涙が出てきちゃって」
「なるほどなぁ」
「でも、コネシマは悪くないよ」
「いんや、シッマが悪いわ」
もっと他に言い方あったやろ、と大先生が見つめる先で肩がぴくりと跳ねたのが見えた。でも何も口を開かない彼に大先生は溜息をついて、突然ん？と声を上げた。
「なぁ、Aちゃん。何を落としたん？」
「えっと。これぐらいのお守り袋」
「それって、」
そう言って大先生がスーツの内ポケットに手を突っ込んで取り出したそれに、握りしめていた空の缶が手の中から床に滑り落ちて、軽い音を立てた。
その桃色のお守り袋は、
「そ、それ！私の！！」
ベンチから立ち上がり、差し出されたそれを慌てて手のひらに包み込むようにして掴む。紐を解いて中を見ると、今朝見たばかりの指輪が確かにそこにあった。ちゃんと、ある。戻って、きた。
脚から力が抜けて、再びベンチに腰を下ろす。大先生が大丈夫かと声をかけてくれるのに頷き返し、先生の後ろで、ようやく顔をこちらに向けてくれたコネシマにお守り袋を見せた。
「あった、…あったよ。コネシマ」
気が緩んで、だらしない顔になってる自覚がある。でもコネシマは暫し瞬きを繰り返した後で、よかったやんと笑顔を見せてくれた。
＊
見つかってほんま良かったわぁと言いながらその場から去っていった大先生に届いてないだろうなと思いながらももう一度感謝の言葉を口にしながら見送った。
手のひらに収まる小さな袋を見て、きゅと握り込む。本当に、良かった。安堵に沈んでいればとんとん、と肩を叩かれた。振り返ると私がさっき落とした空き缶を片手に立つコネシマが居た。
「あ、それ。ごめん！」
「ええって、捨てるんやったら誰がやっても同じやろ」
「でも」
「ええから、はよ行くで」
扉の傍にあるゴミ箱に空き缶を捨てて、扉を押して出ていく姿を見て首をかしげる。そんな私を見かねて、仕方がないなあと笑うコネシマ。
「送ったる。せやから鞄取りに行こうや」
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ももね(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます！喜んでくださったようでうれしく思います。私自身も「お友達から始めませんか、」は特にお気に入りのお話でしたので続編を書くのはとても楽しかったです！この度はリクエストありがとうございました！ (2020年5月14日 22時) (
レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - ももねさん» ももね様！リク消化ありがとうございます！もう好きすぎて言葉に表せないくらい好きです！ももね様！本当にありがとうございました！愛してます！ (2020年5月13日 22時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
ももね(プロフ) - 天真爛漫さん» ありがとうございます！天真爛漫さまのご希望に添えたなら幸いです。今後ともよろしくお願いします！ (2020年5月8日 10時) (レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
天真爛漫 - 作者様、素敵な作品を書くてくださり、ありがとうございました！！ (2020年5月6日 21時) (レス) id: 545c0410b5 (このIDを非表示/違反報告)
ももね(プロフ) - りんごさん» はじめまして！コメントありがとうございます。ありがとうございます…！好きなフレーズを題名にさせてもらいました！^^リクエスト承りました！執筆が完了次第投稿させていただきます。よろしくお願いします！ (2020年5月3日 23時) (レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももね | 作成日時：2020年4月13日 19時
