265 game ページ26
そんなことを考えている内に、花巻の打ったジャンプフローターサーブが軌道を変化させながら稲荷崎コートへとたどり着く。さすがは優勝候補の一つと呼ばれるだけあって、落ち着いて処理されたボールは、侑の元へと届けられるが、そのボールは同時に飛び上がっていた治に瞬時に渡っていった。
ド ガンッ
「＿＿＿ッ！」
相手の位置を確認する間もない内に、届けられたボールを打ちぬくという速過ぎるAクイック。これが双子ならではのシンクロかと、思うほどの奇跡とも言えるタイミング。こういった侑の強気な攻め方は本当にたまらないとばかりに、全身の血が沸き立つのを感じた。
「一本切るぞっ！」
「「「おおぅっ！！」」」
掻き立てられた感情をそのままに、稲荷崎の尾白がサーブのルーティンをしている際に声をあげると、ついてくる仲間たちの声。やり返さないと気がすまない俺は、ちらりと及川に視線を向けると、丁度こちらを見ていたようだ。及川は小さく口角をあげると、視線を戻した。
「っカバー！」
「オッケー！」
尾白の鋭いサーブを岩泉が少し崩れるもののあげると、すぐに及川が反応していく。俺はすぐに助走を始めると、思い切り床を蹴った。高く、高く、空を目指して。視界にゆっくりと入ってくるボールを俺の掌が捉えると、そのまま勢いよく振り下ろす。稲荷崎コートでは、侑と治と角名がブロックをしようと手を伸ばすが、俺には通用しない。ボールはそのブロックの上を通過し、すでに床を捉えていた。
「クッソーッ！まだ越えてくるかっ！」
声を荒げる侑らを背にしつつ、及川とハイタッチをし、笑みをかわす。こんなのはまだ序盤。俺の中でボールに飢える獣は、まだ足りないと咆哮し続けている。
「ふふ、A楽しそう。いいよ、もっと暴れて。楽しんでおいで？どうせ“アレ”やるんでしょ？」
さすがといえる及川の推測は正しく、俺は親指を立てグッドサインだけを返す。向かうはエンドライン。ここに立てばまたボールが俺に与えられる。さあ、見せてあげよう。俺の新しい武器を。
ピーッ
主審が鳴らしたその音は、俺の心臓をドクンと大きく跳ねさせた。わくわくが止まらない。強い相手と戦うのは本当に楽しいんだ。
キュキュッ＿＿ドカッ ギュルルルッ
放たれたボールが宙を舞う中、床を蹴り飛び上がる。
掌に目一杯力を込めたまま、少しだけ指先に力を含ませると、回転を得てボールが唸り進んでいく。
「＿＿なっ！？」
さぁ、どうする？
＿＿ready？
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狼派(プロフ) - 続き楽しみにしてますうううううううううう！頑張ってください！神作をありがとうございます！ (7月22日 21時) (
レス) @page26 id: 7687561dfd (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - あぁぁぁぁ、めっちゃ気になるやん！続き、楽しみに待ってますわ。応援しとります。頑張ってくなはれ！ (2022年9月18日 16時) (レス) @page26 id: 257f098b04 (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン(プロフ) - 更新ありがとうございます！ (2022年3月27日 21時) (レス) @page24 id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
月 - 続きが楽しみです 頑張って下さい (2022年3月10日 13時) (レス) id: 5ca45dddad (このIDを非表示/違反報告)
山さん - ﾋｪ…………ついに稲荷崎戦来ましたね……ﾋｨｨｨｨ……銀鏡くんがカッコよすぎる……稲荷崎推しだからスゲェ嬉しい……更新待ってます← (2021年9月24日 2時) (レス) @page23 id: a9954d5378 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：haroki | 作成日時：2020年3月16日 2時
