【ハイキュー!！】帰ってきた、最強。8【男主】

244 game ページ5

この稲荷崎のセッターこと"宮侑(みやあつむ)”は高校No.1セッターと称され、代表選抜では俺の相方でもある。セッターとして意識しているところもあるが及川の注目ポイントは侑が"イケメンセッター"としてもてはやされていることらしい。実際侑は月バリでも宮ツインズとして特集を組まれていることもあった。それが自分が載っていない号の内容だったこともあり及川は妬ましさを募らせていたのだ。……まぁ、ややどうでもよい内容もあるが、及川にとってはライバルとなる選手というわけで、今のような様子に至っていた。
俺は内心大きなため息を漏らすが、ここはこの状況をうまく使う方が正しいだろうと判断し、及川の肩に己の腕を乗せる。

「……なに？」

全力で不機嫌さを露にした及川が返事をする。俺は内緒話をするように及川の耳元に手を寄せるとそっと言葉を伝える。

"侑に、侑より俺を気持ちよく飛ばせられるとこ、見せつけてくれるんだろ？"

と。
その後の及川は俄然やる気になり、極上機嫌のまま足取りも軽やかに開会式の会場へと向かった。

「………ナニアレ。だいぶキモいけど何したの？」

作戦が失敗し舌打ちする岩泉の隣にいた松川が怪訝そうな顔で及川を指差す。俺はフフンと勝ち誇ったような笑みを岩泉に見せつけながら、「ひみつ」と答えを返した。
岩泉の企みを撃破出来たことは喜ばしかったが、入場行進でもいつも以上のイケメンスマイルを振り撒きながら歩く及川の様を見たら、ちょっと後悔してしまったが。

まぁ、何はともあれ、これからお待ちかねの試合なんだ。小さなことなどどうでもよい。一刻も早くボールに触れたい気持ちが高まる一方だ。青城の全国の舞台での初陣、派手にぶちかましてやろうじゃないか。


＿＿＿＿＿


ミーティングを終え、試合会場へと向かう最中、多くの人に声を掛けられながら、道を進んでいた。選抜で活躍していたものの、民放テレビで試合が放映されない上、拠点はNYだったことからあまり知られていなかったはずが、どうやら月バリ効果もあり、何だかまぁまぁ有名になっていたらしい。そのことを青城メンバーに散々弄られながら会場入り口へとたどり着くと、会場はさらにすごいことになっていた＿＿＿


＿＿Than I thought...

245 game→←243 game

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す