dessert4 ページ4
*
乱雑に黄色いシーツのベッドに放り投げられる
柔らかい素材でできているので痛みは感じないものの私の上に跨がるきりやんを見て危険信号が走る
抵抗しようとするけど手が縛られているので何もできない
きりやんが私を連れてきたのは地下牢ではなく、中央棟の最上部にある彼の自室だ
きりやんは素早く胸ポケットから医療用のナイフを取り出すと私の喉元寸前に突き立てる
『やん…どうして、』
kr「その呼び方辞めてくれない？そう呼んでいいのAだけだから」
彼の言葉にはまるで棘がついているようで、今までこんなに冷たくされたことがないのもあり涙が出そうになる
kr「お前さぁ、どこの国のスパイなわけ？そんな顔しても無駄だから」
『っ…』
スパイ？もしかしてさっきの私が本物だとでも言いたいの？ねぇ、きりやん、、
kr「白尾国の情報が外部に出てなかったから勘違いしてるんだよね〜スパイさん？」
「Aは5年後に帰るって言ってたけど、まさかそれに合わせて変装までしてくるってよっぽどなんだねキミ」
警戒してたNakamu流石だわ〜なんて言うのに合わせてジリジリとナイフに力がかけられていく
今わかったこと、私じゃない誰かは5年より前に帰ってきている、、
そして私はスパイだと思われている
どうにか私が本物のAだと気づいてもらわない訳には、、
『きりやん、お願い、私がAだって気づいて』
なんて言葉で時間稼ぎをする。
私は知っている
きりやんには私を刺せない
きりやんは人を殺めるためにナイフを握らない
小刻みに震えるナイフと蜂蜜色をした瞳を見れば、それは一目瞭然
だけど震える手のせいでナイフが少しずつ首元に食い込んていくのを感じる
まずい、このままじゃ彼が意図せず私を殺す可能性だってある
流石に押し付けられていることもあり、力が抜けて意識がだんだん遠のいていく
きりやん、お願い、、
「ちょっときりやん！！なにしてんの！！」
このきりやんという言い方はきっとbroooockだ
首元からふわっとキームンの香りがするのと同時に突き立てられていたナイフの感覚が消える
br「僕が連れて行くからきりやんはNakamuたちのとこ行っといて」
ドッと殴られるような痛みと共に私は意識を手放した
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 390人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
針刺子(プロフ) - ビー玉さん» コメントありがとうございます!!作者も幸せな物語になったらいいなと思っています;) (6月4日 10時) (
レス) id: e62af5f565 (このIDを非表示/違反報告)
ビー玉(プロフ) - すごく好きです！登場人物みんながしあわせになれたらいいなと思います！ (6月3日 22時) (レス) @page11 id: 7a07f59bfb (このIDを非表示/違反報告)
針刺子(プロフ) - すみれいんさん» ありがとうございます(^^) (2023年4月4日 9時) (レス) id: e62af5f565 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - 針刺子さん» 主ちゃん…でも、そんな可哀想なお話も嫌いじゃない…心痛いけど…この先に幸せがあると信じて進む姿も…あ…でも、もし偽物が本当に本物になったら…とプルプルしちゃいます。無理のないよう頑張ってくださいᕦ(ò_óˇ)ᕤ (2023年4月3日 4時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
針刺子(プロフ) - すみれいんさん» コメントありがとうございます！主ちゃんが可哀想すぎて作者は筆を置こうか迷っています…心痛いですよね><;なんとなく、ほんとになんとなくですが幸せになる気がします、作者は幸せな物語が大好きなので;-) (2023年3月31日 9時) (レス) id: e62af5f565 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：針刺子 | 作成日時：2023年2月28日 13時
