dessert14 ページ14
*
ミルクたっぷり入れすぎたんだよね〜なんて言いながらも悪怯れる様子はなく、ローテーブルに一口サイズに切られたサンドイッチやクッキーを並べている
偽物に対しては豪勢すぎるもてなしだ
kr「どうせスマイルは朝飯抜いてるから君なにも食べてないんでしょ？死なれたら困っちゃうからね」
一口サンドイッチを口に運ぶとほんのり甘く感じる
きりやんはもっと食べろと言わんばかりの視線を向けながらアッサムティーを嗜む
美味しい？
と何度も聞いてくるのに対してコクリと頷くと次はもっと気合入れようかな！とはしゃぐ様子を見せる彼とのこの時間がずっと続けばいいのに、なんて私はこの短時間で彼に毒されてしまったのか
kr「そういえばさ、君はどこから来たの？どこ出身？」
『隣国での留学が終わったのでここへ帰ってきました。出身は白尾国の和井手です』
kr「へー、Aと全く同じなんだね。身辺調査済みってことか…」
きりやんはポケットから小さなノートと毛先が黄色い羽ペンを取り出すと、そこへスラスラと文字を書き連ねていく
私の情報を集めてもしょうがないのにね、
kr「でも不思議なんだよね、Aってここの国…白尾国から出たことが無いんだよね。もちろん留学は行ってるけどそれ以外は。つまりAっていう存在を知ってる人はそういない」
彼の蜂蜜色の瞳が私を穿つ
kr「君、王立学院の人間と繋がってるよね？在学生？卒業生？…若しくは君が王立学院に通っていたのか」
試すように私を見つめるきりやん
そうだ、私は伯爵家の養女として迎えられてから王立学院生、学院関係者か城内の人としか関わりをもったことがない
そもそも私という存在を知っているのも私が関わってきた人たちか白尾城内関係者しか居ない筈だから、きりやんのような考えに至るのは必然である
ふと、目の前の前のきりやんの姿に違和感を覚える
それと同時に広間で見たNakamu、broooock、シャークん、きんときの姿を思い出す
なんで今まで気がつかなかったのだろう
この国は“まだ”支配されている
Nakamuが決着をつけるという話はどうなっているのだろうか、そもそも学院が作られた理由は…
あの国が白尾国を支配するためだ
『私はAなんだから、学院に通っていたに決まってるじゃない』
そう言ってまた一口、ドロドロとした甘い液体を無理矢理喉に受け入れた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 390人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
針刺子(プロフ) - ビー玉さん» コメントありがとうございます!!作者も幸せな物語になったらいいなと思っています;) (6月4日 10時) (
レス) id: e62af5f565 (このIDを非表示/違反報告)
ビー玉(プロフ) - すごく好きです！登場人物みんながしあわせになれたらいいなと思います！ (6月3日 22時) (レス) @page11 id: 7a07f59bfb (このIDを非表示/違反報告)
針刺子(プロフ) - すみれいんさん» ありがとうございます(^^) (2023年4月4日 9時) (レス) id: e62af5f565 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - 針刺子さん» 主ちゃん…でも、そんな可哀想なお話も嫌いじゃない…心痛いけど…この先に幸せがあると信じて進む姿も…あ…でも、もし偽物が本当に本物になったら…とプルプルしちゃいます。無理のないよう頑張ってくださいᕦ(ò_óˇ)ᕤ (2023年4月3日 4時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
針刺子(プロフ) - すみれいんさん» コメントありがとうございます！主ちゃんが可哀想すぎて作者は筆を置こうか迷っています…心痛いですよね><;なんとなく、ほんとになんとなくですが幸せになる気がします、作者は幸せな物語が大好きなので;-) (2023年3月31日 9時) (レス) id: e62af5f565 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：針刺子 | 作成日時：2023年2月28日 13時
