dessert13 ページ13
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「いやぁ、ごめんね？まぁオレが謝るのもどうかとは思うけど、Nakamuが城内を歩かせるなって言ってたからさ」
そう言うとミルクがたっぷりと混ざったアッサムティーの入ったティーカップを目の前に差し出すきりやん
確かに仮に私がスパイだとするなら、監視の目があるからと言っても5つの棟からなるこの大きなお城の中を気安く歩かせる訳にはいかないだろう。
…だからといってここまでする必要はあるのか、
ここはきりやんの部屋の最奥部、つまり中央棟の屋根裏部屋にある実験室
窓もなければ照明も少なく薄暗い部屋に薬草を煮る籠もった重い香りとアッサムの甘い香りがうっすらと漂っている
kr「で、体調が悪いって具体的には？」
『ぶたれた痛みで忘れていまいましたね』
kr「ふ〜ん、ならいいや」
女の子を殴るだなんて酷いことをするようになったんだなぁと思い、嫌味でも言ってやろうかと発した言葉は彼には響かずさらっと流されてしまった
『きりやん様こそ何故私のところへ来たのですか？』
kr「それってオレが君に言うメリットある？」
きりやんが私に何かを伝えてもメリットが無いのは言わずもがな。だけどあそこまで必死になるような何かがあるのか…目の前でう〜ん、と考える素振りを見せる彼をいくら見つめたって必死そうな姿が本当にあったのか自体疑わしく思えてくる
kr「君がAにそっくりだから、気になっちゃったのかもね。オレに対して生意気なところもそっくりだし」
少し考え込んだ後、苦くはにかむように私に笑いかけるきりやんは5年前と変わらなかった
『スパイだと怪しんでいる相手に見せる表情とは思えませんね』
kr「最近Aと面と向かって話せてないからさ？似てるってだけでも君と話す時間はちょっとだけ有意義っていうか、なんていうか…短い間だけどスマイルが偽物を生かす選択をしてくれて少し感謝だなぁ。君のことは信用してないけどね」
冷静さを保ちながらも私に向けられている“Aという存在”に重ねた感情はスマイルと同じようだ。
この調子で行くとNakamu以外の4人も私に対して好意的に接してくれる可能性がある。きんときはどうかわからないけど、
正直、この状況は私にとっては好都合でしかない。早く手がかりを掴んで、あの偽物の正体を突き止めなければいけない
ティーカップを手に取り一口喉に通す
アッサムなんて全く感じない、今のきりやんの感情を表すかのようなドロドロとした甘い甘いミルクの味がした
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針刺子(プロフ) - ビー玉さん» コメントありがとうございます!!作者も幸せな物語になったらいいなと思っています;) (6月4日 10時) (
レス) id: e62af5f565 (このIDを非表示/違反報告)
ビー玉(プロフ) - すごく好きです！登場人物みんながしあわせになれたらいいなと思います！ (6月3日 22時) (レス) @page11 id: 7a07f59bfb (このIDを非表示/違反報告)
針刺子(プロフ) - すみれいんさん» ありがとうございます(^^) (2023年4月4日 9時) (レス) id: e62af5f565 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - 針刺子さん» 主ちゃん…でも、そんな可哀想なお話も嫌いじゃない…心痛いけど…この先に幸せがあると信じて進む姿も…あ…でも、もし偽物が本当に本物になったら…とプルプルしちゃいます。無理のないよう頑張ってくださいᕦ(ò_óˇ)ᕤ (2023年4月3日 4時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
針刺子(プロフ) - すみれいんさん» コメントありがとうございます！主ちゃんが可哀想すぎて作者は筆を置こうか迷っています…心痛いですよね><;なんとなく、ほんとになんとなくですが幸せになる気がします、作者は幸せな物語が大好きなので;-) (2023年3月31日 9時) (レス) id: e62af5f565 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：針刺子 | 作成日時：2023年2月28日 13時
