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twinkle3 ページ3

*


ギシギシと鳴る扉をスライドさせると、椅子に座って天体の図鑑を読んでいる一人の女の子が

時々目を細めて笑う姿にドキッとする

天文部って感じの地味な子だと思ってたけど、結構美人さんなんだね

それにしてもすごい集中力だな…なんて思っていると、不意に顔を上げた彼女と目が合う


大きくぱっちりと見開かれた瞳で僕のことを頭の天辺からつま先まで見ると、直ぐに違う方向を向いてしまった

え、僕なにかした!?


「ねぇ、君天文部の子…?」


『そう。昨日からね』


可愛らしいその顔からは想像もできないほど無愛想な返事が返ってきたものだから、僕どうしていいかわかんないや…どうしよう、

恥ずかしがり屋さん…とか?全然僕の方向いてくれないし…



「ねぇ、君の名前聞いてもいい?」


『A。』

「えーっと、1年何組?」


『私、3年なんだけど』

「…そうなんだ!僕と同い年じゃん」



え、3年なの?

Aって名前聞いたことなかったし、制服は綺麗すぎるし、何よりこの時期の新入部員って1年生だと思うじゃん!!?


「転校生とか…?」


『違うけど、』

「僕、2組なんだけど君は?」


『私も2組なんだけど、』


え、これほんと僕やばいやつじゃん、


「え、ごめん!ほんとに」


僕何も知らないんですケド!?!?Aちゃんが僕のこともし知ってたら、ただ僕が失礼な人みたいになるやつじゃん…!!



『そんなに謝ることじゃないよ』


あ、

すごく無愛想だと思ってたけど…
口元に手を近づけてクスリと笑うAちゃんはさっきまで僕に向けていた警戒心なんて忘れたみたいで、やっと僕の方を向いてくれた

さっきまでとはまるで別人みたいに目を細めて笑ってくれる



『ねぇ、あなたほんとにぶるーくなの?』

「え、僕のこと知ってるの!?」

あ、終わったわ僕、認知されてる??やっぱり僕失礼な人だったんだこれ…



『先生が「ぶるーくしか部員はいない」って言ってたからさ?』

「あー、確かにそうだね…僕だけみたい」


『ねぇ、ぶるーくってもう一人いたりする?』



僕は頭の上にはてなを浮かべる他なかった。

僕がもう一人?え、ぶるーくって名前の人僕の他にいたっけ…


「ぶるーくは多分僕だけだけど、どうしたの?」


Aちゃんは少し何か悩んだように黙り込んだあと、はっきりと僕にこう言った
 

『だって、あなた星が好きに見えないんだもん』

あはは。そういうことか、

痛いとこ突かれちゃったなぁ、

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作者名:針刺子 | 作成日時:2023年7月26日 9時

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