出来損ないの私だから。【ハリポタ】賢者の石2 (ページ9)

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笑えない訳じゃないページ9

聞くかも分からない脅しをすると、箒は動きをピタッと止めてカタカタ小さく震えた

それすらも私はイライラして箒を睨む

ビクッと大きく震えると箒はそれを最後に全く動かなくなった

その箒を地面に投げ捨てて私はある人の所に飛んだ

「ｯなんだよロウェリス…！」

『…………』

マルフォイの所だ

元はと言えばマルフォイのせいでこうなったのだ

何か言ってやらないと気が済まない

未だにイライラしている感情をなるべく抑える

『………おい、』

「な、なんだよ。あの箒はロングボトムのだ！僕のじゃない！それに、お前だってあいつを陥れようとしたじゃないか！」

『…………黙れマルフォイ！！』

がっと胸ぐらを掴む

彼のことを名前で呼んでいなかった私がマルフォイ、と呼んだからか、マルフォイは怯えた顔をして私をみる

へぇ……口だけのやつか……

少し面白くなった為そのままおでこ同士をくっつける

「ｯ…は、はなせよ…」

『………そんな震えて言っても怖くないぞ。お坊ちゃん。次また今度なことしてみろ………その時は…』

ぐいっと顔を耳に近ずける

そして、嫌らしさをたっぷり含んだ声で

『………泣くだけで済めばいいなぁ？マルフォイくん』

ニタリと笑いながら言った

今の私は酷い顔をしているだろう

私は性格が悪い

人の弱みを握ったことでこれほど優越感に浸っているのだから

手を離してハリーと共に下に降りるとみんなに囲まれた

「やったぞ、ハリー！ユウ！すごかったぞ！」

「よくやったよハリー！！」

「ははっ、僕だけじゃないよ」

「ユウもすごかった！ネビルまで助けたんだ！」

『………ふっ、あぁ、ありがとう』

「！……あなた、笑えるのね」

『…私だって生きている。笑いもするさ』

「でも……いつもの貴方ってあれよ……凄く冷酷…」

『そういう性根なんだ。………それに、』

『今は凄く気分がいい』

「そう……ならいいんだけど…」

みんなに囲まれているとマクゴナガル先生がやってきた

生徒を見渡して私とハリーを見つけると足早に来る

まずい、飛んでたのがバレたか…

ハリーと顔を見合わせるとおそらく彼も同じ事を考えたのか顔が強ばっていた

「ハリー・ポッター。ユウ･ロウェリス。来なさい」

マクゴナガル先生の後ろをとぼとぼとついて行く

どんな罰則が待っているのか

手首を軽く抑えてそう思った