【るろうに剣心】ある優しい人斬りのお話。 (ページ26)

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二十四主side ページ26

『さ…いとう…はじめ…』

とうとう…この時がやってきてしまった。

剣心「行ってくるよ、A。すぐ帰るから、待っててくれ。」

『…気を付けて。何だか良くない予感がする。』

剣心「ああ、十二分に。」

そう言って剣心は行ってしまった。

弥彦「おい、A。なんかおかしいぞ、お前。休むか？」

『ううん、大丈夫。ありがとう。私はここにいるから、何かあったらすぐに呼んでね。』

弥彦「おう！」

道場にはA1人となった。

ヤツは絶対来る。今日ここに。

剣心はいない。

左之助も戦えない。

なら私が皆を守らないと。

Aはぎゅっと刀を握りしめた。

その時。

弥彦「おーい、A、藤田って警官がきたぞ」

藤田？知らないなぁ。

『ええ、お茶を準備する…わ………っ！！』

道場に入ってきたのは

…斎藤一

斎藤「こんなところにいたのか、銀華。」

冷や汗が落ちる。

もう逃げられない。

『っ…お前に関係ないだろ。』

弥彦「…A？」

『弥彦、剣心を呼んできて。早く！』

弥彦「お…おう」

斎藤「ふん、随分警戒しているじゃないか。俺が怖いのか？」

『はっ、冗談。誰がお前なんか怖いものか。』

斎藤「声が震えているぞ、銀華。」

『どうでもいい！…お前、何しに来たんだっ…』

斎藤「仕事だよ。抜刀斎関係のな。」

剣心関係…？何かあるのか？

斎藤「まあ、手慣らしにお前と遊んでやってもいい。…昔の続きでもいいしな。」

『っ…嫌だ。』

斎藤「釣れないこと言うな。俺とお前の仲だろ？」

斎藤が近づいて来る。

『こっちに来るな！』

斎藤「随分可愛気が出てきたじゃないか。」

そういうと斎藤は一気に斬り込んで来た

そして私の右腕と右太腿の古傷を抉る。

『くぁっ…！！』

動けない。

またあの頃みたいになるのか。

斎藤がAの顎を掴み、上を向かせる。

斎藤「なあ？」

嫌っ…！

Aはぎゅっと目を瞑った。

バタンッ

突然道場の扉が開いた。

そこから現れたのは。

『っ！！！』

剣心…いや、“抜刀斎”だった。