【るろうに剣心】ある優しい人斬りのお話。 (ページ15)

今日:34 hit、昨日:19 hit、合計:205,321 hit

十三主side ページ15

『江戸は随分と変わったのね。』

私は“東京”に初めて来た。なかなか賑わっていて昔の面影は殆どなかった。

あれからずぅーっと剣心を探す旅をしてきた。が何処にもいなかった。

「緋村抜刀斎を探している」と言えば「お前は抜刀斎とどんな関係だ」とか言われて警察に通報されるし。
マジ剣心許さん。

東京ならいるんじゃないのかと期待してたんだけど…

どうやら此処にもいないらしい。

仕方ないから此処らへんの木の上で一眠りしよう。

そうしたらここを立つつもりだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「…っA！！」

懐かしい声がしたと思って目を覚ますと、そこには私の探し求めていた人がいた。

どれだけ探しても会えなかった、あの人が。

ああ、髪を結う位置を低くしたんだね。何だか目つきが優しくなったね。十字傷少しだけ薄くなっているね。何してたの？元気だった？この間可愛い猫を見つけたんだ、今度会いに行こうよ。

話したいことがあり過ぎて何も言葉にできなかった。

ただ嬉しくて泣きそうなのを必死に抑えるのがやっとだった。

私は剣心の頬に接吻した。剣心は一瞬驚いていたけど、すぐに私にしか見せない極上の笑みをくれた。頬がちょっと赤い。

良かったよ、剣心。
あなたは此処で幸せに暮らしてたのね。