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『…』

「…」


私と月永先輩の間に重い空気が流れる。
重い、というか普通に気まずい。


皆が待ってるんでレッスン室行きましょう!とオドオドしながら言った私を先輩は一瞬怪訝そうな目で見たが「…そうか」と短い返事をすると素直に従ってくれた。


レッスン室への道が何時もより長く感じる。三千里くらいあるんじゃない???

私より少し前を歩く月永先輩は先程から一言も喋らない。いや、喋りかけられてもちゃんと答えられるか分からないから寧ろありがたいかもしれない。

しかし、いつもお喋りな彼にさえも話したくないくらい嫌われているのか私は…と少し落ち込む。


はぁ、と小さくため息をついていたら前を向いていた先輩が急に振り向いた。

『わ、…』

「お前…」


綺麗なライトグリーンの2つの瞳が私を見つめる。
ひゅ、と口から空気が漏れた。ちょ、急になに。無理…。



「そんなに俺たちのことが嫌いなのか?」




綺麗な顔を少し歪めながらそう言った月永先輩。
唐突に突き付けられたそんな言葉に驚き目を見開く。


嫌いだなんて、そんなわけがない。
寧ろその真逆であるがそんなことを伝える勇気はさらさらない。


『き、嫌いなんかじゃありません…』


せめてそれだけでも伝えようと口を開くが思ったよりも小さくなってしまって彼に届いているか心配になる。



「じゃあ、なんで俺たちのプロデュースにこなくなったんだ?」



『え、っとそれは…』



どうやら私の声は彼に届いていたようだったが続けて寄せられた質問に言葉を紡ぐことが出来なくて口籠もる。



「…まぁ、いいや。取り敢えず嫌われてるわけじゃないんだな!」



ぱっと、先程とは打って変わって笑顔になる月永先輩。質問の答えを伝えるまでおわらないとおもっていたが意外にもあっさりと終わったそれに私は安堵して肩の力が抜ける。



本当は嫌いなんかじゃないです!寧ろ真逆で生涯推していく方針です!!

と、伝えたかったがこれ以上変なやつだと思われたくないので口を噤む。



「じゃあ、今日俺たちのレッスン見てってくれよ!!」


心の中で生涯推し宣言をしていた私は彼の口から発せられたそんな言葉が飲み込めなくては?と腑抜けた声がでてしまう。




…え?先輩今なんて?????



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華月(プロフ) - すごく面白いです!KnightsPの私にとって最高のお話です!!更新楽しみにしています!!((o(。>ω<。)o))頑張ってください!! (2021年1月9日 17時) (レス) id: c20a326205 (このIDを非表示/違反報告)
@雨粒(`・∀・´)(プロフ) - 初めてコメントします……目に入った瞬間吹きました。ってことは物語を読んでいて共感した私はKnightsアレルギー……この作品すごい好きです!頑張ってください! (2020年8月1日 0時) (レス) id: d0142124c9 (このIDを非表示/違反報告)
はりめ(プロフ) - はちみつ様さん» 2作とも見ていただいてありがとうございます。どちらも同じくらいのペースで更新していけたらいいなと思っているのでよろしくお願いします!頑張ります! (2020年7月26日 21時) (レス) id: 9f16f9447a (このIDを非表示/違反報告)
はりめ(プロフ) - かりんとうさん» 天才なんて恐れ多いです…ありがとうございます。頑張ります!! (2020年7月26日 21時) (レス) id: 9f16f9447a (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ様(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!もう一つの作品も見てるのですがどちらも面白くて更新楽しみにしてます!!主様これからも頑張ってください…! (2020年7月26日 21時) (レス) id: 99a34210a0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はりめ | 作成日時:2020年7月23日 19時

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