タマ争奪戦1 青さん ページ16
青side
雑誌を見ながら何気ない風を装って話しかけた。
「なぁタマ。」
「はい。」
「今度のオフ、月曜やっけ？」
「はい、そうです。」
「俺もその日オフになったんやけどさ、
…その…」
先の言葉を察したのか、
彼女は申し訳なさそうな声を発した。
「あの…オフの日は合宿所の…
「あーちゃうちゃう！！
どっか出掛けよ、とかやなくて…」
慌てて否定する俺。
「その…行ってもええかな？タマんとこ。」
尻すぼみに小さくなった自分の声が恥ずかしくて、
下を向いた。
「あの、何もお構い出来ませんけど、」
そう言った彼女に、
そんなことないよって顔を上げて言おうとしたら、
「お待ちしてますね。」
ってめっちゃ笑顔で言ってくれて、
嬉しくて嬉しくて、
この場で抱きしめたかってんけど、
それじゃいつもの俺やから、
ぐっと堪えて我慢した。
ーーーー
お昼過ぎが都合が良いと言ったタマに、
俺はきっかり時間守って行った。
「タマー？」
「はーい。」
笑顔で迎えてくれたタマ。
タマの部屋に通され座った。
オフの日はエプロンがけで、
ホンマにアイドルなん！？ってはたから見たら思われる格好。
化粧もしてへん。
髪やって、伸びてはきたけどオフの日は後ろにひとつしばっとるだけ。
せやけど、
(はぁ〜…ほんま可愛い。)
「お茶、持ってきますね。」
(いらんて、お茶は。
…そばにおってよ。)
立ち上がったタマの腕を、咄嗟に掴んでしまった。
不思議そうな顔をする彼女。
(あ…やばっ)
「どうかされました？」
(せやけど…
今のままやと意識もしてもらえてないんとちゃう？)
「そんなん、嫌や。」
「はい？」
(俺のこと、
意識してくれんと、
すきでいてくれんと、
一番に思ってくれんと…)
「俺は嫌や！！」
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作者名：芹生 | 作成日時：2017年3月27日 20時
