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「おっと、」
「Aちゃんええ匂いやんなあ。」

すんすんと首元に顔を埋めてくる。

「マンちゃんもいい匂いだけどね。」
「jkやからな。」
「うわあっくすぐったい!」

さらさらとした髪の毛が肌に触れてむずむずする。
マンちゃんの髪が私よりも綺麗で少し嫉妬した。

「抱き心地もええわ。」

するっと腰に腕を回される。

「マンちゃん、それ以上はあか──────」



───ピシンッ────────────




突然放たれた殺気に会議室にいる全員が凍りつく。



出どころは部屋の最奥。
総統閣下の玉座の横から。



その瞬間、マンちゃんを制止しようとした大先生が冷や汗を一滴、床に落とした。

それを境に殺気はまるで最初からなかったかのように消えた。






「─────どうしたん?トントン、そんなに童貞扱いが気に障ったん?」


ゆっくりとマンちゃんがトントンに向き直って聞いた。
抱えられたままの私は嫌でもトントンと目が合うことになる。
彼は無表情だったが赤い瞳は間違いなく鋭さを増していた。

玉座までは机も挟んで5m以上もあるのに先ほどの感覚はまるで喉元にナイフを突き刺されているようだった。流石総統の右腕。
おそらくwrwr幹部といえどもこの国一の殺気の鋭さを誇る彼を飄々と躱せるのは付き合いの長い総統とマンちゃんだけだろう。




「……別にどうもしてないですけど。」
「となると先ほどのあれは俺が放ったことになるな。」
「あんたはちょっと黙っといてください。」


トントンに言われて一応口を閉じるが口元はニヤついたままの総統、おそらくこの状況を楽しんでいる。




「……でも、まあ、せやな。」

彼はテーブルの上に置かれたワインコルクを取った。おそらく総統が今飲んでいるロマネコンティのものだろう。手で感触を確かめた後、彼はこちらを向──────


──ヒュッ─────────



───え?









「───童貞にはちょっと刺激が強すぎるんで、とりあえず離れてどうぞ。」









トントンの顔が見えたと思った瞬間、耳元で風を切るような音がした。
そして同時に先ほどまでくっついていた温もりがフッと離れる。

おそるおそる後ろを見るとドアにコルクが1つ埋まっていた。
……ドアは劣化したりしていないしあれは普通のコルクのはずだ。


……ななななにこれ!?何でこんなにトントン怒ってんの!?!?トントンの動作が見えないレベルのあんな速い攻撃久しぶりに見たよ!?!?

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雛菊(プロフ) - 美桜さん» 通知に気づかず返信が遅れてしまい大変申し訳ありません!2ヶ月以上も前に……(汗)読んで頂きありがとうございます!計算高いトントンはめちゃくちゃ気に入ってるので嬉しいです! (2017年5月15日 1時) (レス) id: c858a49007 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - ヤバいヤバいグルさんも超格好良すぎだけど、トンさんの計算高い感じも格好良すぎぃ! (2017年3月4日 8時) (レス) id: 7a0b0fb690 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - 酒呑童子さん» あああどうもありがとうございますうう!! (2016年11月28日 13時) (レス) id: 6d4fabdf41 (このIDを非表示/違反報告)
酒呑童子 - お化け屋敷のお話がすごく好きすぎて何回もハイルグルッペンしそうになりました...!これからも頑張ってください! (2016年11月28日 0時) (レス) id: 31dd048566 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - テル@コクさん» おおおここにまた我々の忠実な信徒がひとり!ありがたいお言葉です!!がんばります〜〜 (2016年11月27日 9時) (レス) id: 6d4fabdf41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雛菊 | 作成日時:2016年8月26日 23時

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