うるさいです先輩。

#3 ページ3

｢俺ら水泳部のマネージャーは主に――｣
私のクラスは、運動部のマネージャー募集らしい。どうりで、女子しかいないわけだ。まぁ、どーでもいいけどね。
こっそりと本を取り出し栞が挟んであるページを開く。本の世界にのめり込んでいたが、チャイムの音で現実世界に引き戻される。

凝り固まった首を回していたら、
前に座っているお人形さんみたいに可愛い娘が
｢ねぇねぇ、Aさんだよね？｣
と話し掛けてきた。

｢はい、そうですけど……｣

私なにか、やっちゃったかな？
と、自分の行動を全力で振り返っていると
｢私、Aさんと同じクラスの如月琴乃っていうの よろしくね？｣
わあ、この子絶対モテるよな〜。なんて考えた男子中学生並みの私の思考回路に嫌気が差す。

｢あ、はい……。
私はAAです｣

｢同じクラスのこがAさんしかいなくて……。あの、どこの部活のマネージャーになるとか決めた？｣

言えない、入る気なんてサラサラないなんて……。この純粋無垢そうな娘には……。

｢えぇっと、まだです。
如月さんは？｣

｢私は、サッカー部かな。
なんか楽しそうだし｣

｢あぁ、確かに楽しそうですよね｣

若干人見知りな私にしては頑張ったほうだと思う。少しの沈黙気まずいなぁ、そう思い始めたころにちょうどチャイムが鳴った。

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