白い少年は思う ページ7
――ぱち、と目が開く。
着物姿のその女性は、がばっと起き上がった。
「うわっ!き、君川に流されてて…大丈夫?」
現状確認するかのように、そのままぱちぱちと瞬きを繰り返す女性。
「――助かったの?…ちぇっ」
…「ちぇっ」!?
心底嫌そうな顔をする彼女に、既視感を覚える。
「ほら、云っただろう敦くん?矢張り入水だったじゃァないか」
自慢気に云う会社の先輩は、自身が着る砂色の外套を彼女の肩に掛ける。
「入水中の処、うちの社員が失礼致しました。どうです御嬢さん?気分直しに私と改めて――」
止めた方が善いかな、と思い口を開きかける。
一瞬間をおいた彼の、何時もと違う口説き文句に、僕は心の底から驚いた。
「喫茶店で御茶でも。善い店を知っているのですよ」
彼女はきょとんと彼を見て、
「あの…名前をお聞きしても?」
と云った。
それは、色々な感情の混ざった声に聞こえた。
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夕野きする(プロフ) - 響華さん» アドバイスいただきありがとうございます!わかりました、工夫してみます。 (2018年3月11日 21時) (レス) id: d7453fd818 (このIDを非表示/違反報告)
響華 - もう少し行の間隔を空けたらいかがでしょうか? (2017年12月18日 17時) (レス) id: 86c88d0ffc (このIDを非表示/違反報告)
桃生このか - 秋さん» そうなんですね!お恥ずかしい話、未だ読んでいないのです…これは学校の図書室開き次第読まねば(笑) (2017年9月2日 23時) (レス) id: cc90327189 (このIDを非表示/違反報告)
秋 - ツケの話、ヴィヨンの妻のどこかにあったなぁ (2017年9月1日 21時) (レス) id: 45418c19fc (このIDを非表示/違反報告)
R - 確かにそうですね! (2017年8月27日 13時) (レス) id: 0a6b6d9361 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桃生このか | 作者ホームページ:http://http://commu.nosv.org/p/asubook/
作成日時:2017年8月19日 0時