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「深沢先輩!おはようございます!!」


朝、学校の門の前で沢村くんとピンク髪の子に
ばったり会い、律儀に挨拶された


「あ、おはよー!沢村くんと、えっと…」


そーいえば、ピンク髪の子の名前、覚えてない


言葉を詰まらせていると

「小湊春市です」

そう名乗って、春市くんはぺこりと頭を下げた


「ご丁寧にどうも。まだ沢村くんしか覚えてなくて…って、あれ?小湊?
……もしかして亮介さんの弟くん!!?」

「はい」


誰かに似てると思ったら
亮介さんだったのか!!


「あの毒舌な亮介さんに
こんな可愛い弟くんが居るなんて…!!」


マジマジと春市くんを眺めていると

「誰が毒舌だって?」


後ろから声がして恐る恐る振り返ると
にこりと笑みを浮かべた亮介さんが私を見て
その後ろでは倉持くんがニヤニヤしていた


「俺にだっているよ?兄弟くらい」

「あはは…。ですよね…?」

「ネットティー、今日はいいって言うまで
付き合ってもらうから」

「は、はい…!」





「いいなー。亮さんとネットティーかよ?」


教室に向かっていると隣を歩く倉持くんが呟いた



「亮介さん “と” って…。亮介さんしか打たないし
私、ボールトスするだけだし…」


亮介さんって私には注文多いから
トスするの結構大変なんだよ?


そう言うと倉持くんは
「まぁ、精々頑張れ」と笑って
私の背中を叩いた


教室に入ると、既に御幸くんは席に着いていて
私と倉持くんに気付くと

スコアブックから顔を上げ
目を少し見開いて、私たちをじっと見る


「……御幸くん、どうしたの?」

「いや、2人が一緒に登校してくるなんて
珍しいなって思って…」

「待ち合わせてたわけじゃねーよ。
たまたま門のとこで会っただけだ」


倉持くんがバッグを机に置きながら答えるけど
何故か御幸くんはへの字口で無言のまま
倉持くんを横目で見る


「なんだよ?
言いたいことあんなら黙ってねぇで言え!」

「別にー?」


「そ、そういえば!倉持くん!!英語の宿題でわからないとこあったんだけど教えてくれない?」


そっぽを向いてしまう御幸くんと
食ってかかろうとする倉持くんの間に慌てて入る


「英語?…ほらよ」


倉持くんはバッグから出したばかりのノートを貸してくれた


「ありがとう!!……って、あのー倉持くん…?」

「ん?」

「これ、自分で訳したの?」

「いや。純さんに教えてもらったけど?
どうかしたか?」


「えっと…ごめん。答え全部違うかも…」

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設定タグ:ダイヤのA , 御幸一也   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:あんず | 作成日時:2015年3月29日 2時

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