おバカな君とは付き合わない。【Yuta.K】

敬語の理由。 ページ3

「ところでさ、何で岸は私に対してずっと敬語なの？」

岸はなぜか、出会った時から年下の私に対してずっと敬語を貫いていた。

『それは、Aさんが尊敬する先輩である風磨くんの妹さんだからッスよ!!!!』

「でもさ、私って岸より年下じゃん？笑

それなのに岸って呼び捨てしてるし、普通にタメ口きいてるけどそこは気にならないの？」

『それはAさんの好きにしていただいて、全然大丈夫ッス!!』

でも、私的にはちょっとだけ違和感があったりするんだよなぁ。

「でも、私は何か嫌だな。

風磨の妹だから敬語なんて、何かおかしくない？

岸も普通にタメ口にしてよ。

あと、私の事もさん付けじゃなくてちゃん付けにして欲しいんだけど」

『え？それってマジで言ってます？』

「もちろん」

『じゃあ、今からタメ口にする!!

これからはAちゃんて呼んでいいのかー!!!!

Aちゃん？Aちゃん!!いや、Aちゃーん♡』

何だか嬉しそうに私の名前を連呼している岸。

一体何がそんなに嬉しいのか、私には全くわからんけど。

「岸、うるせぇよ」

『あ、ゴメン!!ちゃん付けが新鮮でつい!!!!笑』

「そんなにちゃん付けが嬉しいの？

私なんて、ちゃん付けどころか岸の事呼び捨てしてるのに？笑」

『え？俺も呼び捨てにしていいの？』

「オイオイ、あんまり調子に乗んなよ岸」

『それは本当にサッセン!!!!!!』

私に向かって、慌てて深々と頭を下げる岸の後頭部を見つめながら、

やっぱり岸は恋愛対象ではないんだよなぁ…と改めて感じていたのだった。

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