絶対に恋なんかしない。2【Sho】

重すぎるっつーの。 ページ3

『Aちゃん、紫耀に会って何を言ったの？』

平野と会った後、ジンくんから呼び出されそう尋ねられた私。

「ジンくんに言われたから、今の私の気持ちをそのまま言っただけだよ？」

私がそう答えると、ジンくんは少し困った顔で私を見つめた。

『まぁ確かに言ったけどさ。

Aちゃん、絶対に言わなくていい事まで言ったよね？笑』

「いや、必要な事しか言ってないはず」

『絶対嘘だよ。

紫耀の奴、アイドルやめようか真剣に悩んでたよ』

「はぁ？そういう問題じゃないんだけど」

『俺はわかってるよ、でも相手は紫耀だからね？笑』

確かに。

平野だったらそういう思考になるのかもしれない。

「ねぇジンくん、

私はどうしたら平野に諦めて貰えると思う？」

『それは多分無理なんじゃないかなー。

今の紫耀を見てる限り、Aちゃんの事すげぇ本気だってわかるから』

「いやいや、そんなの重すぎるわ」

『まぁ今はまだそう思ってるかもしれないけどさ、アイドルでも付き合いたいって思ったら、

その時はちゃんと、Aちゃんが紫耀の想いを受け止めてあげてね？』

私に優しく微笑みながら言うジンくんに、

「そんな日は来ないで欲しいと切実に願うわ」

私が本音をぶちまければ、ジンくんはおかしそうに笑った。

正直、私にとっては全く笑い事ではない。

でも、ジンくんはきっと平野の味方なんだろうな。

ジンくんにとって平野は、同じグループのメンバーである以前に親友だから。

それで私の話を聞いて、どうやったら平野とうまくいくかを考えているに違いない。

私がそんな事を考えていると、ジンくんが急に私の顔を覗き込んできた。

『Aちゃん、そんな難しい顔して今何を考えてたの？笑』

「別に何でもないよ。

ただ、ジンくんは私の味方じゃないんだろうなって思っただけ」

『え？何でよー、そんな事ないって!!

俺はただ、二人がうまくいけばいいなって思ってるだけだよ？』

「だから、その考え方がすでに平野の味方でしょ」

『俺は恋する二人の味方だよ？』

「私はまだ恋してないから!!」

『ん？まだ？笑』

「あ、間違えた。私は平野に恋なんてしないから!!」

私が慌てて否定をすれば、

ジンくんはやっぱり楽しそうに笑いながら、私を見つめていたのだった。

呼ばれたい。→←悩めるイケメン。【Jin side】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す