絶対に恋なんかしない。2【Sho】

返事。 ページ17

「いやいや、何でベッドに座らせてんのよ。

返事するだけなら横のソファーでいいでしょ？」

私がソファーに移動しようとすると、再び私の腕を掴み、

『ダメだよ!!今は少しでも近くに居たいんだもん』

拗ねたみたいな顔をして私を見つめる紫耀。

何だか急に駄々っ子になったな。

顔がいいって、こういう時本当にズルいなぁと思う。

「ハイハイ、じゃあここで聞きますよー」

仕方なく私がベッドに腰掛けると、紫耀は安心したように話し始めた。

『俺の事、一人の男として好きになってもらえてすごく嬉しい!!』

めちゃくちゃ笑顔で言いながら私を見つめるから、何だかこっちが照れるんですけど。

『それに、独り占めしたいって思ってたのはAだけじゃないよ？

俺もAの事、ずっと俺だけのものにならないかなって思ってたし』

うん、紫耀はそうだったんだろうね。

今までもずっとそんな事を言われてた気がするし。

『だから、全然ダメな事なんかじゃないんだよ。

簡単にはいかないかもしれないけど、俺は本気でAと付き合いたいって思ってる。

今、Aも同じ気持ちで居てくれてるなら、俺を信じてついてきて欲しい。

A、大好きだよ。

だから俺と付き合って下さい、お願いします!!』

そう言って右手を私に差し出しながら、深く頭を下げた紫耀。

その瞬間、私の視界に入ったのは紫耀の後頭部にあった激しい寝癖だった。

「紫耀ゴメン…」

私がそう言いかけると、

『いや、ちょっと待って!!ヤダ、まだ断らないで!!』

と慌てて私の話を遮ろうとしてくる紫耀。

「紫耀、違うから。

紫耀の寝癖が想像以上に激しくて、ちょっとおかしくなっちゃっただけ笑」

私が笑いながらそう言えば、

『え？あ、そうだった!!

あーあ、今めちゃくちゃ真剣に告白したのに、寝癖で台無しじゃん…』

後頭部の寝癖を押さえながら、わかりやすくシュンとして落ち込む紫耀。

「台無しなんかじゃないよ。

私に対する紫耀の気持ち、ちゃんとわかったから」

私が紫耀を見つめながら言えば、

『じゃあ改めて、Aの答え聞かせて？』

紫耀は期待に満ちた顔で、告白の返事を促したのだった。

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