絶対に恋なんかしない。2【Sho】

好きなところ。 ページ11

「シンプルに顔とスタイルが好みだから。

私昔から面食いで、顔が整っていてスラッとした細身の人が好きなんだよね」

私がそう言うと、それを隣で聞いていた廉が、

『え、嘘やろ？それ完全に見た目だけやん!!』

私に秒速でつっこんできた笑

「でも、見た目で興味がわかなきゃ、その人を知りたいなんて思わないでしょ？

実は努力家だったり、頭はいいのに天然だったり、廉の中身を知れば知るほど、

クールそうな外見とのギャップに、さらに好きになって永瀬担になったって感じかな」

『何や改めて面と向かって好きって言われると、さすがに照れるな』

私がそう言えば、廉は少しだけハニカミながら私を見つめて言った。

その横で、私達の話を静かに聞いていた紫耀がわかりやすく落ち込んでいた。

いやいや、何でそんなに落ち込んでんのよ。

紫耀が私に聞いたから、それに答えただけなのに。

『廉の外見も中身も好きって、もう俺に勝ち目無いじゃん…』

いやいや、マジでガチ凹みしとるやん。

そんなに落ち込まれたら、さすがに私も心が痛むんだけど。

アイドルとしては廉の事が好きだけど、一人の男としては紫耀の事が好きだから。

でもゴメン。

私はまだ、この気持ちを紫耀に伝えるつもりはないんだ。

だから、私はなるべく紫耀を見ずに言った。

「だから、それは最初に言ったじゃん。

私はずっと永瀬担だから、平野担にはならないって」

『それはそうなんだけどさ、少しは俺の事好きになってくれたかなって思ってたから…』

さっきからずっとテンションが低いままの紫耀が、だんだん心配になってきた。

「うん、出会った時よりは好きになったよ？

あの時は、マジでキンプリ自体が嫌いになりそうな勢いで、紫耀の事が大嫌いだったからね」

『じゃあ、今は？俺の事大嫌いじゃないの？』

「むしろ好きだよ」

『え？A、俺の事好きなの？』

「いやいや、それはもちろんアイドルとしてだよ？」

『わかってるって!!今はそれでも嬉しい!!』

あれ？何か少しだけ元気になったかな？

さっきより少しだけ顔色が明るくなった気がする。

そんな風に思っていた私に、この後モヤモヤさせる展開が待っている事をこの時はまだ知らなかった。

異変。→←救世主あらわる。

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