絶対に恋なんかしない。【Sho】

これは偶然じゃない。 ページ10

岸くんAちゃん、ゴメン!!!!
紫耀に、Aちゃんと俺が連絡先交換したのバレちった!!!!
ほんとマジゴメン!!!!!!

連絡先を交換して1週間くらい経った頃、岸くんから謝罪のメッセージが入っていた。

まぁ約束した相手は岸くんだし、何となくこうなる予感はしてたよ。

恐らく、岸くんから平野に連絡先がバレるのも時間の問題だろうな笑

やたらとビックリマークが多い文面が岸くんらしいなと思いながら、

「バレたものはまぁしょうがない。

でも、私の連絡先だけはマジで死守してね!!」

いつものカフェで、岸くんにメッセージを返信していた時だった。

『あ、また会えた〜!!』

二度と会いたくないと思っていた、平野の声が聞こえた気がした。

いやいや、きっと気のせいだな。

そう思ってスマホから目を離さずにいた私に、

『ねぇちょっと、無視しないで〜!!』

そう言いながら、私の目の前に小さい顔をひょっこりと出した男。

「…チッ、何で平野が居るのよ」

『俺がタピオカ買いに行くって行ったら、紫耀が勝手についてきちゃったんだよねー笑』

ジンくんが半笑いでそう言うと、隣でニコニコと頷きながら私を見つめる平野。

ジンくん、これは完全にやったな!!

岸くんだけに連絡先を教えて、ジンくんに教えなかった腹いせかなんかですか。

「ふーん。じゃあ、私はお先に失礼しますね」

私が何事も無かったかのように、席を立って店を出ようとすると、

『連絡先、教えてくれる約束でしょ!!』

そう言いながら平野が私の前に立ち塞がった。

「だってこれは偶然じゃないでしょ!!」

『え？偶然だよ？

だって今日、Aちゃんがここに来てるなんて俺知らなかったもん!!』

サラッと私の事をちゃん付けで呼んだ平野。

「で、何で平野は私の名前知ってんのよ」

『岸くんがAちゃんに連絡してる時に、こっそり後ろから覗いて見たからぁ〜♡笑』

どうだ!!と言わんばかりの平野のドヤ顔を見てため息が出た私は、

あの日、岸くんに連絡先を教えた事を早くも後悔し始めていたのだった。

担当は誰だ。→←約束。

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