絶対に恋なんかしない。【Sho】

連絡する。 ページ35

『えっ、何でもう連絡したらダメなの？』

本気で意味がわからない、って顔で私を見つめながら尋ねた平野。

「だって、もうそんな必要無いじゃん。

私がティアラとして平野をまた好きになったら、もう私に用は無いでしょ？」

本来、私が平野にライブの感想を伝えた時、すでにその後は連絡する必要なんてなかったはずだ。

『…Aちゃんはさ、俺の事好き？』

オイオイ、平野さんよ。

私の顔をめちゃくちゃ切なげな目で見つめながら、一体何を言わせようとしてんねん。

「平野は好きだと思ってんでしょ？

俺のダンスが好きなら俺の事が好きなんだよ、って自分で言ってたんじゃん笑」

『違う、そういう事じゃない!!

だってAちゃん、まだ永瀬担で廉の事が好きなんでしょ？

俺、絶対に平野担にするって言ったじゃん!!』

いやいや、まだも何もそれはさすがに無理だって。

だって私、廉の事大好きだもん。

「私、絶対平野担にはならないって言ったよね？

漆黒ティアラとして、平野を好きなだけで満足して欲しいんだけど」

『そんなの絶対にヤダ!!』

何だかただの駄々っ子みたいになっちゃってるし。

『ちゃんと俺の事知ってもらって、絶対好きにさせるから連絡はやめないよ？

だからもう連絡しないでなんて言わないでよ…』

あーあ、また捨てられた犬みたいな顔しちゃって。

だから、そんな目で私を見るなっつーの。

「あーもう、わかったから!!」

『えっ、じゃあAちゃんに連絡していいの？』

今の切なげな顔は、全て演技だったのかと思ってしまうくらい、嬉しそうな顔で私を見つめる平野。

「良くないけどいいよ」

『え、どっちなの？俺わかんないよー!!』

「じゃあもう連絡すんな」

『それはヤダ!!連絡する、絶対するからね!!』

結局は連絡する宣言してくる平野の事を、

心底鬱陶しいと思いながらも、どこか可愛いと思ってしまっている私だった。

迷惑をかけられてる人。→←許す。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す