私の弟がグイグイ来て困ってます。2【Ren】

そんな偶然ある？ ページ19

『あ、来た来た!!噂をすればってやつ？笑』

お姉さんが嬉しそうに言った後、その人物を見た私は再び固まった。

「え？廉？」

『え？ちょお待って、何でAがここに居るん？』

ビックリしたのは廉も同じだったようで、私を見た瞬間にそう尋ねてきた。

「私は紫耀にここに連れてこられたんだけど」

そう言って私が紫耀の方を見ると、私の視線をたどった廉。

『まーた、何で平野と一緒に居んねん!!』

「廉、ここ、紫耀のお姉さんのお店だよ」

『え？マジで？いやいや、そんな偶然ある？』

私が事実を告げるとさらに驚いた顔をした廉。

『まさか、廉くんてAちゃんの弟なの？』

お姉さんもさすがに驚いた様子で、私にそう尋ねてきた。

「はい、そのまさかです笑」

『えーすごい偶然!!いや、運命なのかな？笑』

私が少し笑いながら答えると、やっぱりお姉さんはどこか楽しそうに言った。

『でもさ、何で弟くんはこの店でバイトしようと思ったの？』

お姉さんが興味津々に廉に尋ねた。

『俺人見知りなんで、オープニングスタッフがええなって思ってたまたま見つけて。

Aの会社から近いし、帰りに寄ってくれたら一緒に帰れるかなって思て』

廉がそう言うと、紫耀が私を見つめながら、

『なるほどね〜、じゃあ弟くんがバイト入ってる日は帰りにここで飲もっか♡』

と、嬉しそうに提案してきた。

『いやいや、お前は来んでええわ!!』

『じゃあ俺がまた家に飲み行ってもいいの？笑』

『はぁ？それは絶対にアカン!!』

『じゃあ、仕事終わりにAと飲みに来るからよろしく〜♡』

そう言いながらしてやったり顔の紫耀と、心底嫌だという顔をしている廉。

まさかの思わぬ展開に、私も少しだけ動揺していたのだった。

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