あんたなんか好きにならない。2【Ren】

交際スタート。【岸side】 ページ22

"俺と付き合ってもらえませんか？"

"付き合ってから、俺の事好きになってもらえるように頑張るから!!"

"ちゃんと俺の事好きになってもらうまで、俺からは何もしないから安心して"

ひたすら真っ直ぐにAちゃんへの想いを伝え続けた結果、俺達は付き合う事になった。

「廉とは別れてきたから、私を岸くんの彼女にしてくれる？」

Aちゃんにそう言われた時は、マジで夢かと思うくらいに嬉しかった。

Aちゃんが作るご飯を食べたり、同じベッドで一緒に寝たりする事で、

あ〜俺らって付き合ってんだなぁ〜!!っていう幸せを感じていた。

ただ、ベッドの中でAちゃんが抱きついてくると、体が素直に反応しちゃうのが困る笑

好きになってもらうまでは何もしないと約束した手前、絶対手を出すわけにはいかないから。

Aちゃんが泊まったある日の翌朝、曲がったネクタイを直してくれる彼女にニヤニヤが抑えられずにいた。

「ねぇ、めっちゃにやけてるよ？笑」

岸「いやぁ〜何か新婚さんみたいでいいなって思ってさ!!笑」

俺がそう言えば、少し呆れたみたいな顔で俺を見つめるAちゃん。

岸「あはは、じゃあ行ってきます!!」

「いってらっしゃい、あ、ちょっと待って！」

岸「ん？どした？」

「新婚さんみたいっていうなら、ここまでがワンセットじゃない？笑」

そう言うと、俺の唇に軽くキスを落としたAちゃん。

岸「うわ、やっべ、今の初チューじゃん!!
俺、今マジで会社行きたくねぇんだけどー!!」

世の旦那さんは、毎朝こんな気持ちで家を出ているんだろうなぁなんて思ったりして笑

「いやいや、会社には行かないと!!笑」

岸「だよなぁ…
じゃあ続きは帰ってきてのお楽しみって事で!!行ってきまーす!!笑」

本当に家を出るのが名残惜しかったけど、Aちゃんからしてくれたキスの余韻をかみしめながら、

帰宅後のイチャイチャを想像して幸せな気持ちで会社へと向かったのだった。

違和感と別れ。【岸side】→←ズルい告白。【岸side】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す