平凡な暮らしをしていたら、いきなり異世界に飛ばされました。【異世界能力系】 (ページ9)

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＊9話ページ9

路地裏に入り、しゃがみこむ。

速く走りすぎたか、

隣からは荒い息遣いが聞こえる

『な、なんかすまんの』

「謝りの割には軽い」

せとなに指摘された

しょうがない。これが謝ることを大の苦手とする私の精一杯なのだ。

さて、どうしようか。

奥の手を使うか。

私は、その場に手をつき、華麗に前回りをキメた。

その勢いにのったまま、土下座のポジションへ…。

そう、はらる考案の前転土下座だ。

『さーせんっしたああああああっ』

全力の土下座

友達に捧げる土下座

私、悲しいよ。えーん、えーん。

あれ、何か頭に押さえつけられているような感覚が…。

『おい、せとな。私を足蹴にすんな』

決まった!はらる選手のイケボ!

ハイ。

下を向いているが、ニタニタと笑うせとなの顔が脳裏に浮かぶ。

「あはははは、ちょ、せとなちゃ、そろそろやめなよ。ふっ」

今にも吹き出しそうなのあちゃんの声で私は頭をあげることができた

改めて二人を見る

『怪我、大丈夫?』

殴られたりしたのか、青くなっていたり、血が滲んでいる所がある

何も持ってないよ、どうしよ…

とりあえず血を止めなければ

と、ハンカチで傷口を押さえる

ハンカチはすぐに真っ赤に染まり、どうしようかと混乱していたその時。

ふらり、と人影が見えた

ヤバい…

怪我をしている二人を庇うようにして身構える

相手をよく見たまま、パーカーのファスナーを開き、裏地につけてある2つの銃を取り出す

肩幅に足を広げ、両手に銃を持ち、脇を閉める

後ろではせとなが、蛇をスタンバイさせていて、今すぐでも襲いそうだ

のあは、手からナイフを出し、構えている

「誰っ!?」

せとなが叫ぶ

「安心して。私も能力持ってるから」

相手はそう答えたが、まだ信用はできない

『どんな能力…?』

見せてもらおう

証拠として。

「うーん、じゃあ…」

そう言ってのあの足に手をかざす

「ぇ、あ…」

のあが声を漏らし、何かに気がついた

「傷が…治った…!」