平凡な暮らしをしていたら、いきなり異世界に飛ばされました。【異世界能力系】 (ページ22)

今日:2 hit、昨日:7 hit、合計:5,371 hit

＊22話ページ22

「あ、バレちゃった?」
と、少し笑いながら言う先生。

「おお～」
と、感嘆の声をあげたせとなは、何故か閃いた顔をした。

「能力を使いこなせば、能力を使う時と使わない時を自由に操れるってことですか!?」

「そうだね、使いこなせばね」

あれ、おかしくないか?

確かに、私は狐耳はずっと出ている。でも、運動能力が急激に上がるのは文字をなぞった時だけ。

無意識に使ってしまったことはない。

ノアやなあやの場合は、常時とかないからともかく、せとなは常時蛇が出ている。

もしかして使いこなせているのだろうか。

そんな訳ないはずだ。

そういうことにしておこう。

さて、そろそろノアとなあやも迎えに行って帰ろうか、そう思った時だ。

「らるちゃーん!」

「来たよー」

と、聞きなれた声がして、廊下を見るとノアとなあやが立っていた。

『そっちの方が一足早かったか』

と、呟くと軽くジャンプして背負っている鞄の位置を整える。

『あずき先生はもう帰っていいんですか?』

現実世界ならば、職員は人によって帰る時間はバラバラだ。20時あたりまで仕事をしている先生もいる。

「当たり前じゃん」

いや、どこが当たり前なんすか。異世界はやっぱり異世界だ。

自分のクラスの生徒が全員帰ったら、自分も帰って良いらしい。

『んじゃー、帰るか』

と、ドアに向かって歩いた。