平凡な暮らしをしていたら、いきなり異世界に飛ばされました。【異世界能力系】 (ページ20)

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＊20話ページ20

はらるside

先程からここは、まるで喧嘩の後のような異常な無言空間が漂っている。

なんていったって、隣がぶりっこじゃあ、こうなるだろう。

ちなみに今は帰りの会真っ最中だ。

司会が何か次々と読み上げていく。

その隣にはあずき先生。

隣…羨ましい

目なんて前髪で見えないが、極限のジト目で司会者を見る

何も悪くないけどさ。

やっと司会が終わり、先生の話へと移った。

あずき先生はその場から1、2歩ほど動き、教卓のあたりへと立った。

そして、今日のことについて話を始め、私は先生の声に耳を傾ける。

話に耳を傾ける訳ではない。声だ。

つまり、話の内容はあまり聞いていない。

隣のぶりっこ、あれ、名前何て言ったっけ。

とりあえず、ぶりっこは声にも耳を傾けずに、毛先をくるくると指先に巻き付けて暇な様子。

許さん。

私が声に耳を傾けつつ、ぶりっこをガン見していると突然。

キッ

顔を上げたぶりっこがこちらを睨みつけてきた。

え?私何もしてませんけども。

気にさわることしました?

あ、茎わかめほしいの?

とりあえず私は目を隠しているので睨み返してもわからないだろうと、そっぽを向く。

「「「さようならー」」」

帰りの挨拶をしたが、私は帰ろうとせず。

あずき先生の家どこかわからないし。

「じゃあねぇ♪」

と、若干意味深な笑顔を残して去って行ったぶりっこの背中を見て思う。

よくこいついじめられないな。

まあ、そんなことどうでもいいか、と荷物を鞄にまとめる。

ふと顔をあげるとナイスタイミングで、教室には私とせとなと先生しかいなかった。