平凡な暮らしをしていたら、いきなり異世界に飛ばされました。【異世界能力系】 (ページ16)

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＊16話ページ16

てくてくと、あずき先生の後ろに続いて歩く

いや、でも、あずき先生がEクラス担当なのは驚いたな。

だが、今はそれどころではない。

自己紹介…。

何て言えばいいかな。

とりあえず名前と、年齢と、

……えーっと、何言えばいいんだ…。

こんな時こそ我らのせとな!

『ねね、せとな。自己紹介って何言うの?』

すると、せとなは即答する。

「名前と年齢とよろしくだけでええやろ」

おおおぉ、シンプル。さすが。

見習います。

「ここ」

と、あずき先生が教室を指差す

なんだ、Eクラスだからヤバいかなって思ってたけど、元の世界とほぼ変わらない。

「呼ぶから入ってきてね」

転校生あるある。

これ、入る時めっちゃ緊張するじゃん…。

先生がドアを開けると、教室のざわざわとした話声が聞こえてきた。

『おおおぉ…』

圧倒的にビビって、せとなの手を掴む

朝会が始まったのか、教室からは椅子を引く音が聞こえる

はあぁ…どうしましょう…はらるさん怖いわ。

せとなは興味津々に、少し教室を覗いている。

「ぁ、呼ばれたぞ」

あずき先生が手でおいで、とやったらしい。

せとながドアを開ける

『先に言ってくだせぇ…』

「ぇ、やだだるい」

おぅふ…。これは何を言ってもダメなやつだ

しょうがない。心優しいはらるさんが先に入ってあげよう。

緊張で足が震えるが、一歩踏み出す

視線が集まるのがわかる

続くようにせとなも入る

黒髪としろ髪が入ってきたら普通ビビるわな。

オセロできそう…。

せとなは白の一色だが、私は黒髪の真ん中の前髪に水色のメッシュがあるので、余計目立つ

私なんか、前髪で目が隠れているので印象悪そうだなあ…。

でも、目を見せたら怖がられるに決まってる。皆みたいに澄んだ綺麗な瞳じゃないから…。

少し考えていると、後ろから、自己紹介して、とあずき先生の声がかかる

知ってる人が2人もいて少しだけ安心し、口を開く。

『ぇ、えぇと、…藤咲はらるです。13さい。よろしくお願いします』

ぺこりと頭を下げて終了。よくやった、私。