34話 ページ35
ヴィルside
…「なんだって！？
お嬢様役の女の子が骨折した！？」
電話をしながらそう叫んだスタッフの言葉で、現場が凍り付いた。
まさかのハプニングだった。
お嬢様を演じる子役の女の子が、骨折をして来られなくなったらしい。
…「どうするんだよ！今から代役を探すか！？」
…「でも、事務所から人を呼んでる時間はないですよっ…」
…「誰かここら辺に、お嬢様らしい女の子はいないのか！？」
さっきまで順調だったはずの撮影が、一気に修羅場になっていくのが、幼いながらにもわかった。
でも、そこでふと思い付く。
…「Aは？」
気づいたらアタシは、そう口にしていた。
お嬢様らしくて容姿も美しい彼女なら、代役を務められると思ったのだ。
…「そっ、それだ！ヴィルくんナイス！」
…「でも、あのキリア夫人が許してくれるでしょうか…？」
…「でもそれ以外に手はない。腹を括ろう！」
スタッフたちは、何かを決したように部屋を出てく。
彼らが帰ってきたときには、隣にAと、不機嫌そうな彼女の母がいた。
…「Aをドラマに、ですって！？」
…「はい。代役がどうしても必要で…」
…「そんなの知らないわっ！とにかくうちの可愛い娘は貸しません！」
頑固なAの母は、一歩も譲らない。
スタッフ全員が眉をひそめ、困っていると、Aが口を開いた。
…『ねぇ、それって、ヴィルさんとネージュさんと同じことができるの？演技をできるの？私が』
…「A、何言って…」
…『私、やってみたい。ねぇお母さん、いいでしょ？』
…「なっ…、ダメに決まってるでしょ！そもそもなんで役者と会ってんのよ…！」
…『やだっ！やりたいのっ！』
＿＿＿主張を曲げない真っ直ぐなAの姿に、心を打たれた。
思わずアタシは、Aたちの間に割り込む。
…「Aのお母様、一度Aの演技を見てから決めてはどうかしら？きっと可愛らしいし、見てみるだけならいいんじゃないでしょうか？」
…『………！』
アタシの言葉に、Aが目を輝かせた。
…『お母様っ！いいっ？』
…「まあ…見てみるだけよ…」
そしてAは表情を輝かせたながら、アタシに言った。
『やった！ありがとう、ヴィルさん！』
その笑顔は、息を飲むほど愛らしかった。
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シャーペンの芯(プロフ) - 殿堂入り本当にありがとうございます…!!! (2021年6月14日 6時) (
レス) id: 37f133a8ec (このIDを非表示/違反報告)
シャーペンの芯(プロフ) - 海月くらげさん» 素敵なコメントありがとうございます！ラプンツェルいいですよね！！(興奮)そして私の作品も好きだと言ってくれて本当に嬉しいです！ありがとうございます！ (2021年4月21日 15時) (レス) id: 37f133a8ec (このIDを非表示/違反報告)
シャーペンの芯(プロフ) - なず@ヴィル様の旦那ですさん» マジです！(笑)これからも頑張ってください！応援してます！ (2021年4月21日 15時) (レス) id: 37f133a8ec (このIDを非表示/違反報告)
海月くらげ(プロフ) - 完結おめです!シャーペンの芯さんの作品もラプンツェルも好きなので、読むのがとても楽しかったです!これからも…作品楽しく読ませていただきますね!! (2021年4月21日 1時) (レス) id: 27709bd435 (このIDを非表示/違反報告)
なず@ヴィル様の旦那です(プロフ) - シャーペンの芯さん» えまじですか！？わああ嬉しいです！？ (2021年4月18日 14時) (レス) id: c2e37a127a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シャーペンの芯 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/syapennosin/
作成日時：2021年2月12日 17時
