19話 ページ20
ヴィルside
「………!!」
スマホの機械的な音声に、アタシは目を見開く。
ずっとずっと待ち望んでいた答えだった。
「フフ…フフフ。ついにこの時が来たわ。
これでやっと…!」
アタシは今、世界で一番美しい。
誰よりも何よりも。
しかし次の瞬間、スタッフの声で現実に戻されることになる。
「次はロイヤルソードアカデミーの皆さん、スタンバイお願いします!」
「はぁーい!今いきまーす!」
スタッフの呼びかけに元気よく返事するネージュの姿が見えて、アタシたちは絶句した。
「オレらの次、ロイヤルソードアカデミー!?」
「丁度いい。どんなパフォーマンスか、見てやろうじゃないか」
「おぉ、じゃあ休憩がてらに客席に座って観に行こうぜ」
「ちょっと。映像を確認して反省点を洗い出すほうが先って言ったでしょう?」
騒ぐ子ジャガたちにそう言いきかせても、彼らは聞く気がないようだった。
するとアタシに、隣にいるルークが言う。
「まぁまぁ、
…ルークの言うことも一理あるかもしれない。
「…それもそうね。ロイヤルソードアカデミー代表、どんなものか見てやろうじゃない。
まぁ、アタシたちの美しさには勝てないでしょうけど」
お手並み拝見といこうじゃない。
・
「うぉぉ、なんだこの曲!サビが頭ん中をぐるぐる回ってる…」
ロイヤルソードアカデミーのパフォーマンスを見ながら、カリムが声をあげた。
ルークが言うには、彼らのパフォーマンスは輝石の国の童謡のアレンジらしい。
「なーんだ。誰にでもできる簡単な振り付けじゃん。しかも全然揃ってねーし」
「あっ、1人転びそうになったんだゾ!」
「正直、クオリティは大したことないな」
「これじゃオレたちのライバルにもならねーっすね、ヴィル先輩!」
エースが突然問いかけてきた。
確かに、危なっかしくて踊りも不揃い。
だけど。
「…………。
………やられた………ッ!」
アタシは思わず、そう声をあげてしまったのだった。
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シャーペンの芯(プロフ) - 殿堂入り本当にありがとうございます…!!! (2021年6月14日 6時) (レス) id: 37f133a8ec (このIDを非表示/違反報告)
シャーペンの芯(プロフ) - 海月くらげさん» 素敵なコメントありがとうございます!ラプンツェルいいですよね!!(興奮)そして私の作品も好きだと言ってくれて本当に嬉しいです!ありがとうございます! (2021年4月21日 15時) (レス) id: 37f133a8ec (このIDを非表示/違反報告)
シャーペンの芯(プロフ) - なず@ヴィル様の旦那ですさん» マジです!(笑)これからも頑張ってください!応援してます! (2021年4月21日 15時) (レス) id: 37f133a8ec (このIDを非表示/違反報告)
海月くらげ(プロフ) - 完結おめです!シャーペンの芯さんの作品もラプンツェルも好きなので、読むのがとても楽しかったです!これからも…作品楽しく読ませていただきますね!! (2021年4月21日 1時) (レス) id: 27709bd435 (このIDを非表示/違反報告)
なず@ヴィル様の旦那です(プロフ) - シャーペンの芯さん» えまじですか!?わああ嬉しいです!? (2021年4月18日 14時) (レス) id: c2e37a127a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シャーペンの芯 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/syapennosin/
作成日時:2021年2月12日 17時