幕が下りる三秒前に【ツイステ】

18話 ページ19

ヴィルside



「映画の撮影がとまっちゃったから、なんだか久しぶりだね。でも、今日はまたヴィーくんの歌が聴けそうで嬉しいよ。

僕、ヴィーくんの歌声、かっこよくて大好きだから」



相変わらず愛らしく振る舞うネージュと、少し会話を交わす。



…Aがアタシのステージを観るってことは、ネージュのステージも観るってこと。

だったら、彼に負けるわけにはいかない。



「NRCの代表選手の皆さん！リハーサルのお時間です。スタンバイお願いします！」

「…今行くわ。それじゃあね、ネージュ」



スタッフに呼ばれて、アタシはネージュにそう言った。



「うん！ヴィーくんたちのパフォーマンス、楽しみにしてる！」



ネージュは最後まで明るく手を振り、自分のチームのものへと帰っていった。



「＿＿＿＿能天気に笑ってられるのも、今のうちよ」



…アタシの呟きにも気づかないで。



「………………。」



・



＿＿＿＿そして、リハーサルが終了した。



パフォーマンスが終わると同時に、アタシは映像の確認に向かった。

カメラからの見え方を確認したかったから。



「お疲れ様、ヴィルくん！」

「最高のパフォーマンスだったよ！感動で痺れちゃったなぁ！」

「私たちは輝石の国の報道番組のスタッフなんだけど…」



すると、メディア関係者がアタシのところに押し掛けてきて、インタビューを求める。

アタシは冷静に対応しながらも、心の中は晴々しかった。



…これがアタシの美しさだって心から言える。

いや、本番にはもっと、世界一美しいパフォーマンスをしなくちゃね。



インタビュー、インターネットに投稿する映像の確認を終えてから、アタシはスマホを取り出した。



「mira、mira、教えてちょうだい＿＿

今このとき、最高に美しいのは誰？」



次の瞬間、スマホから聞こえてきたのは、アタシが待ち望んでいた答えだった。



「“美しい メッション数第一位 アカウント”についての検索結果は…

ヴィル・シェーンハイトです」

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