女の子、梵天に入るってよ

46 どん底まで堕ちよう ページ46

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万「なんだ」

『あ！
きた！』



マイキーを部屋に呼んだ。マイキーと一緒に見たい映画があったからだ。



『この番組、一緒に見ようよ！』

万「……俺らの青春？」



テレビの説明をマイキーに見せると、苦い顔をされた。



このお話は暴走族のリーダーが大切な仲間とバカ騒ぎしたり仲間を守ったりする映画。



なんだかこの映画、マイキーにぴったりかもと思ったから誘ったのだ。



万「くっだらねえ」

『なんで？』

万「……」



苦くて、苦しそう。マイキーは黙り込んでしまった。



『と、とりあえず一緒に見ようよ』

万「……」

『……だめ？』

万「……はぁ、分かったよ」



私は番組情報を消すと同時に映画が始まった。



マイキーは私の肩に頭を乗せ、隣でたい焼きを食べながら見ている。



(やっぱり俺らの大将は健一郎だな！)

(時代を作れよ、健一郎)

(お前ら……)



ガバッ。



マイキーは私から離れ、私のベッドにうつ伏せになり寝そべった。まるで見たくないって言ってるみたいだ。



『どうしたの？』

万「……」

『？』

万「……昔を思い出した」

『昔？』

万「……俺も昔は族のリーダーやってたよ。
前に場地の墓一緒に言ったろ？今の言葉……時代を作れって同じこと言われた」

『……そうなんだ。ごめん』



それからマイキーは暴走族に入っていたときのことを語り始めた。



無敵のマイキーと言われたり、大切な本当の兄、義理の兄、妹を亡くしたことを。



万「……全部……俺のせいなんだ」



マイキーはだんだん弱々しい声になってきている。



万「……仲間が死ぬのは、俺はもうあまり気にしねー……。誰が死のうか俺には関係ねぇ……。裏切ったら殺すしかねーんだ」

『……』

万「……Aだけは……Aだけは……俺と一緒に堕ちてほしい」

『……』

万「ダメか？」



そんなの、決まってるじゃん。



私も初めて人を殺してからもう何人も殺してきた。精神を問い詰めた。



私がすることは……



『……一緒に堕ちるよ』



仲間……幹部達と……マイキーと。



死ぬ時は一緒に地獄に堕ちたいな。




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