39話 ページ38
･
三「九井の家に行く。待ってろ」
そう優しく言われ、大人しく1時間程待っているとショートメールが受信された。
その相手はもちろん三途さんからで、今着いたとの事だ。
三途さんに会いたい。顔が見たい。けど罪を擦り付けられて殺されちゃったらどうしよう。九井さんが骨拾ってくれるって言ってたしなんとか魚の餌にはならないか。
そう思っていると玄関の勢いよくドアが開いた。もう壊れてしまうかのように強く。
三「A！」
三途さんの声だ。大好きな人の声。目から涙が溢れてしまう。
三「A……」
目の前にはボロボロになった三途さんと、きっと勢いよくドアを開けられた事にイライラしている九井さんがいた。なぜ三途さんはボロボロになってるんだろう。
三途さんが1歩1歩近づいてくる。殺されるのかーー
と思っていると、痛いほど三途さんが強く抱き締めてきた。
『なんでっーー』
三「悪かった」
『っ！』
三「言い訳になるけど、ああするしかなかった。
それなのにお前を裏切った。傷つけた。
ーーあんな顔させちまって。ごめんな」
三途さんに嫌われてなかった。そう思うと更に涙が溢れ、ひっくひっくと喉を鳴らす。
そんな私を見て三途さんは背中に回した手を私の頭に置いてポンポンと撫でる。そんなことしてくれるなんて嬉しい。
もう死んでもいいかもって思ったけどこの人が好きだ。大好きだ。ずっと一緒にいたいなぁ。
落ち着くまでずっと黙って頭を撫でてくれた三途さん。落ち着いてちらっと九井さんを見ると呆れた顔をしてた。
『……すみません九井さん。ラブラブしちゃってて』
九「おっぱじめなきゃなんでもいい。
とりあえず三途の気持ちだいたい分かったろ、許してやれ」
『……もちろん』
三「ま、俺はお前が九井の家にいることは絶対許さねーけどな」
『え、そんな〜……』
九「こいつ、Aを傷つけたから1発俺をぶん殴ってくれって言ったら灰谷とかボスが乱入してきて1発じゃ済まなくなったんだよ。だせぇだろ」
三「うるせぇよ。
マイキーはともかく、灰谷は殺す」
『ふふっ……』
そんなことをしてくれてたんだね。笑みを零すと三途さんも困った顔をしながら笑った。いい顔だ、写真に収めたい。
九「仕事戻っからあとは2人で話せよ。
A、襲われたら電話しろ。すぐに殺しにくる」
『やっぱり九井さん、私のこと好きですね？』
三「ハ？」
九「やっぱお前死にやがれ」
→
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 491人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆき(プロフ) - 更新楽しみにしています！！頑張ってください！ (2021年9月23日 16時) (
レス) id: 71bdc7cd9e (このIDを非表示/違反報告)
無気力に自信が有る人 - あ、クライマックス………いや、作品の波……？でしょうか。更新頑張ってください！ (2021年9月20日 18時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
叫びすぎて喉痛い - ふっ…控えめに言って神 (2021年9月18日 20時) (レス) id: bf3a83fab0 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - うわぁ！！！神作品！！！自覚してくれ三途くん！！！更新楽しみに待ってます！ (2021年9月16日 18時) (レス) id: f68d781c31 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：乱れ桜 | 作成日時：2021年9月14日 14時
