【d!】野狗子の幸福的人生理論 (ページ3)

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出口の見つからない、複雑な森にユイネは居た。服にはﾍﾞﾁｬｯｧと返り血がついていて、青白く血色の悪い肌にも服と同様、血がついていた。

『ん～、デザートないかなぁ』

ユイネはそう呟き、のらりくらりとおぼつかない足取りで森を彷徨った。出口は見つかりそうにない。

最悪、その辺のクマでもたべればいいか、とユイネは自己解決をし森を彷徨うのをやめた。
近くの切り株に腰をかけ、足をぶらぶらと振った。

時折、ひまだなぁとか、おいしいものないかなぁなんてぼやいては、空を眺めていた。

ユイネという人物は、人を喰らう人であった。いわゆるカニバリストとか、食人鬼みたいなもの。街で噂になっている事件もきっと、彼女の仕業なのだろう。日々、おいしい人肉を探しては彷徨っている。きっと、この森に入ったのも良さげな人肉を探したかっただけなのであろう。

『デザート、あきらめよ』

潔い言葉が、静かな森に響いた。

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