【成り代わり】野生の天下五剣です、拾って下さい【刀剣乱舞】 (ページ6)

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やめてよして触らないで(震え声) ページ6

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成主side

今｢じゅずまる！｣

『！』

また名前を呼ばれてズキ、と頭が痛んだ。

何故だろう、違う筈なのにやたらとしっくりくる。
パズルのピースを嵌めたように、かっちりと。
まるで、最初からその名前が私の名前だったように。

？｢君は……｣

青年が呆然としながら一歩近付く。

？｢数珠丸、大丈夫だよ。
僕らは君の敵じゃ……あ、｣

青年の目線が、ふと後ろの方に逸れる。
私の方ではなく、もっと後方だ。
思わず釣られて後ろを見て、思わず息を飲み込んだ。

？｢今剣、青江、大事無いか？！
……む？その刀は…｣

今｢あっ、岩融！｣

『ひぇ』

デカーーイ！！説明不要！！じゃないッ！！！！()

向こうから、僧兵らしき男性が薙刀を持って走ってきている。
遠目からでもわかるそのデカさに悲鳴をあげかける。
流石に巨大オバケよりは小さいけど、それでもめちゃくちゃデカいなんだアレ自販機か？？？←
とりあえず、デカイ人が岩融？で青年が青江という名前なのは分かったがそれよりもそれよりもだ。

意図せずして左右を挟まれた状況に思わず深く息を吸い込んだ。

どうか、成功してくれ。

そんな切実な思いをかけて。

『近付くなッ！！』

今・青・岩｢｢｢！！｣｣｣

思わず刀を抜き、残った片手で今剣の肩を抱いて威嚇する。
とにかく、まずは子供を守らなければ。
この低音イケヴォで叫べばそれなりの迫力になると思ったけど、一応は怯んでくれたようだ。

ヒュウ、と強い風が森を揺らす。

忘れかけていた寒さが思い出したように冷えた身体を撫でて、思わずまたガタガタと震え始める。
マジで寒い、クソ寒い。
起きた時に服はほとんど乾いていたけど、その分池の水が肌に染み込んでいた訳で。

驚いたように固まっていた岩融が一転、憐れむように眉を下げた。

？｢……大丈夫だ。
怖くない、怖くないぞ｣

いやその見た目で腕を広げられても恐怖しか無いんですが。
警戒心の高い野良猫にするような態度に若干不服になりつつも、左右は警戒したままだったけど。
それでも、急激に気を張り詰め過ぎたのが良くなかったのだろうか。

不意にガク、と片膝が抜ける。

今｢！！｣

ヤバい、意識が途切れる。
辛うじて倒れはしなかったけど、膝をついてしまった。
左右の二人が駆け寄ってくるのに、どうにも立ち上がれない。
手が震える、足に力が入らない。
随分リアルな夢だ、と何回目か分からないそれを思いつつ。

今剣の頭を抱き寄せて、肩に頭を乗せて静かに目を閉じた。