似てないようで似ている、同類な二人 ページ22
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ユウside
魔力が開花したと言われた時は内心小躍りしたが、世の中そんなに甘くないというのが常なようで。
魔力の質が良くても、そもそもこの世界の人間が生まれた時から持っている"魔法を使える概念"が当たり前ながら無いので魔法どころか魔力の感知すらままならなかった。
それでも、特殊な私には可能性が十分あるらしい。
教えるのが儂で良かったな、とはリリア先輩の言葉だ。
それから一日程休み、特に学園長と顔を合わせる事も文句を言いに乗り込む事も無くたまに絡んでくる奴らの暴言をきっちりと記憶する事も忘れずにゆるりと数日が過ぎた頃。
秘密の近道として今はもう使われていない旧校舎を小走りで駆けていると、吹き抜けの窓の下に何処かで見た事あるピルリと動く耳を視界の端に捉えた。
｢おや、｣
少しダボついた制服、特徴的な丸い獣の耳と小さな尻尾。
特段友人とも呼べない、しかしながら顔は知っているその生徒の様相に思わずピタリと足を止める。
一人に対し、数は六人。
頭から微かに血が流れ、その足元に居るのはーーーートレイン先生の愛猫、ルチウス。
｢……｣
正直助ける義理は無い。
害もないし得になる事もない、所謂計画外の生徒だ。
あちらから関与してこなければ、こちらから関与する事も無い。
けれど、けれども…｡
(…迷うくらいなら首突っ込んでやらぁ！)
丁度いい、最近新作の武器が出来上がったところなんだ。
肝心なところでヘマする可能性が大いにあるグリムも今はクルーウェル先生のバッボーイを食らっているところで今はいない。
つまり、十分に駆使する事が出来る。
吹き抜けの窓枠に片足を掛け、声の限り叫んだ。
｢さぁさぁ、皆様ご注目！！｣
ピタ、と下の動きが止まる。
見上げる彼の目が眩しいものを見るように細まった。
高さにして凡そ2m、大丈夫だ着地さえちゃんとすれば骨は折れまい。
｢白昼堂々暴力沙汰、嗚呼なんて稚拙な事か！！｣
｢学園の嫌われ者の俺に裁きを受けるのはさぞ悔しかろう憎ましかろう！！｣
｢嗚呼気に入らない気に入らない、気に入らないからお前達を裁く！！｣
ドーナツが好きな生徒……ラギー先輩の鈍色の目に、ヒーローか何かを見るようなキラリとした色が微かに混ざったのが見えた。
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愛されなかった少女と愛され続けた少年
こうやって意外な人物登場させるの楽しいです、一応全寮の人達と満遍なく絡ませたい……所存(絶対に絡ませるとは言ってない)
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サッポロポテイトゥ - 最高です！リクなのですが‥わ、私オクタが大好物でして‥少し絡んで欲しいです！この話とても面白く、目からオアシスメーカーですー (2023年1月19日 13時) (
レス) @page5 id: 186cc97eda (このIDを非表示/違反報告)
マロ汰(プロフ) - 葉月さん» わー一番乗りおめでとうございます！続編も引き続き頑張って行くので、よろしくお願いします(*´∀`)♪ (2022年12月26日 22時) (レス) @page8 id: 12860d964e (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 評価とお気に入りの一人目は私が頂きました！！マロ汰様の文章や内容どれも大好きなので続編も更新楽しみに待機しております！！ (2022年12月26日 16時) (レス) id: 7976f6f747 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マロ汰 | 作成日時：2022年12月26日 16時
