【39話】自覚した恋。 ページ48
side無し
フ｢あれ、オレなんで……え？｣
当の本人は酷く不思議そうな顔をしていた。
嫌な真実を突き付けられた事への悲しみか、それとも別の何かか。
いずれにせよ、アズールやジェイドによってシエルは中々に尊敬する先輩だ。
そんな彼を片割れが一方的に嫌うのは見たくないーー。
そんな思いで、少し冷や汗を垂らしながらアズールは再度口を開いた。
ア｢…お前にとってシエルさんとは何ですか、フロイド？
僕やジェイド以外にあだ名を付けるお前が、唯一名前で呼んでいる彼を。
……お前は、どう思うんですか？｣
フ｢……シエル先輩は、大好きで、愛おしくて、愛してて………あれ？｣
嗚呼、やっぱりーーオレは、好きなんだ。
あの人、シエル先輩の事がーー。
ア｢……漸く自覚ですか、珍しく鈍い｣
流れ落ちる涙を、フロイドは自ら拭った。
…どうやら、そう悪い感情での"泣き"では無いらしい。
呆然とした表情でポロポロと涙を流すフロイドを他所に、二人は人知れずホッと安堵した。
それはそうとして呆れたのは事実である。
あれだけ嬉しそうにシエルの事を話しておきながら、今更自覚か。
好き、感情、愛。
ソレを自覚したフロイドの胸の内に最初に湧いたのはーー。
─────フロイド君！
ーー鳥肌が立つ程の、強烈な"焦り"
フ｢───アズールッ、どうしよう！！｣
椅子に座って向かい合っていた状態から勢いよく身を乗り出し、目の前にいたアズールの肩を勢いよく掴んだ。
ギリ、と大きな掌が肩に食い込む。
ア｢イ゛…っ！落ち着きなさい、フロイド！
一体お前は何をそんなに、｣
"焦っているのです"
その言葉は、終ぞ口から零れ落ちる事は無かった。
何たって、フロイドの顔はーー今まで見た事が無い程、悲壮に満ちた物だったのだから。
ポタ、と涙がアズールの頬に零れ落ちた。
フ｢オレの、オレのシエル先輩が……ッ｣
フ｢取られちゃうッ！！｣
優しくて美しいシエルを、求める男は多くいるだろう。
そんなシエルが、別の男の元に？そして甘い顔を見せる？…昼間、図書館の時と同じような顔を？
……そんなの、耐えられないッ！！
宝物を取られそうになった子供のような、そんな焦りだった。
自分だけのシエルを、他の男に渡したくない。
今こうしているうちにも、シエルと仲の良い人物…リリア辺りと良い関係になっているかもしれない。
そんな、焦りだった。
しかしーーこの場にいる全員は、紛れもないヴィランであった。
ア｢ーー何を戯言を申し上げてるんです、フロイド｣
【40話】だってヴィランなのだから、仕方ないじゃないか。→←【38話】初デートの終了。
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シアン・ローズ（別アカ） - サンズに勝てる････････ライトセーバー買おうかな････････あと更新頑張って下さい！ (2022年10月25日 20時) (
レス) @page25 id: 215c26ef03 (このIDを非表示/違反報告)
菊乃(プロフ) - 愛菜さん» (*- -)(*_ _)ペコリ (2022年2月22日 12時) (レス) @page18 id: d0b76ddb34 (このIDを非表示/違反報告)
愛菜(プロフ) - いえいえ！自分も一瞬気づかなかったです笑 (2022年2月22日 12時) (レス) id: b3d1c81104 (このIDを非表示/違反報告)
菊乃(プロフ) - 愛菜さん» ｱｯすいません書き忘れです！修正してきます(´・ω・｀) (2022年2月22日 12時) (レス) id: d0b76ddb34 (このIDを非表示/違反報告)
愛菜(プロフ) - 男主君の各キャラの呼び方の所の二年生の所にシルバーが居なかったんですけど書き忘れですか？ (2022年2月22日 11時) (レス) @page9 id: b3d1c81104 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菊乃 | 作成日時：2022年2月20日 21時
