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五十二 ページ6

高杉side






一瞬のこと




気配がした瞬間、二つの首が大きく弧を描いて落ちた






ズラも予想外なようで、目を見開いている









首を取った本人は、ついていた膝をあげ




妖しく笑う









そして、小さく狂気が混じった声で




『ははっ………』






笑い声をこぼす









何度捕まえても檻に閉じ込めても


瞬き一瞬で逃げてしまう





あの日、あの崖で消えたあいつは




谷底で何かを見た






だからこうして這い上がってくる









幼くも美しいと思ってしまう








それがどうしてかはわからない




どうしても手元に置いておきたかった



戦争後、何度も探した




刀が骨代わりのように残されていたのを何度も見て




もうこの世から消えたのではないかと何度も思った





閉じた片目にはあいつが崖から落ちた瞬間を長く長く写している









なぜだ?




憎いだろ?




先生を奪った幕府が………



この世界が








なのに何故、その犬にまで成り下がる









頭が過去を思い出していると、血の付いた顔で何かを喋り出す





『今回はおふざけがすぎたみたい


だからもう帰るよ』






そう言い刀に付いた血を払い鞘に収める






『感謝してるよ?』





ズラも口を開かず声に耳を傾ける






『こんなに楽しいのは久しぶりだからね


こんなに心が燻られるのは本当に久しぶりだから』






春雨の軍艦を見上げ、楽し気な声で伝える





桂「お前、こんなところにいたのか」



やっと口を開いたのはズラ







『うん


ちょっとどじった。だけどそろそろ減給もきついから、じゃあね


銀時たちによろしく



あと、今度はこっちからちゃんと会いに行ってあげる』




Aは船の手すりに手をかけ





高「テメェ………」




桂「おい!」








錆びれた手すりを乗り越え、遥上空にあった船から飛び降りた









去り際にほんの少し、さっきまでとは違う

悲しそうな表情が見えた









おめぇのことは長い付き合いだが今でもわからねェ



理解すればしようとするほど酷く複雑に絡めとられる



俺ァそんなお前に惹かれたかもしれねぇなァ

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ユユき(プロフ) - 3シリーズに入る事ができました!読んでくださっている方々!誠にセンキューです!これからも読んでください!ってかむしろ応援してください! (2016年6月9日 22時) (レス) id: 96ef1d08f6 (このIDを非表示/違反報告)
にーにゃの小龍包 - グロかったけど、超面白かったです☆爪いたそう。。。続き楽しみです!!(*^◯^*) (2016年6月1日 15時) (レス) id: c55e279bdf (このIDを非表示/違反報告)
ユユき(プロフ) - みみみ皆様!投票ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2016年5月31日 22時) (レス) id: 96ef1d08f6 (このIDを非表示/違反報告)
味噌汁,s - 1に投票します…!! (2016年5月29日 19時) (レス) id: 8257172c04 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 1でお願いします! (2016年5月28日 18時) (レス) id: be98b20e7a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユユき | 作成日時:2016年5月2日 0時

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