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五十一 ページ5

Aside





ありゃりゃ、早く逃げなきゃ落ちるね




はぁ…………あはは


『小太郎、よくもやってくれたな

死んで欲しいのかな?』




グラグラと揺れる船のバランスをとりながら一番高いと思われる場所に来た



空は曇天で、雲の隙間から日が差し込んでいる



正に幻想的だ


その下で繰り広げられる戦いは絵になる



『銀時ハッケーン。お、人斬りもハッケーン


ん?なんだよ全員集合かよ

小太郎、高杉』



視線の先では銀時と紅桜の死闘が火花を散らしている


そして顔を少しずらし下を見ると小太郎と高杉が何やら話をしている



隊服を着ていればほとんどが取る首であり指名手配犯



瓦の上に立ち様子を伺う



銀時は再び目覚めたのか鋭い剣さばき


それに紅桜が必死に応戦するような感じだ


『銀時は後でいいか

最初はあっちだな』



その視線の先には過激派攘夷志士、高杉と

穏健派攘夷志士、桂



そして接近する春雨







あぁ………心を揺すられるようだ



きっと幕府でもないただの人間だったら春雨に喧嘩を売るだろう


それほどまでに強い相手を求めている



といったところで意味はないけど


私は私のやることをしよう



強く刀を握りしめ、鞘から二本を解き放つ


太刀は鞘ごと咥え、二刀を収めいていた鞘は腰へとさす





『少しは楽しませてね

ハンデあげてるんだから』



一気に屋根を降り、桂の後ろにつく天人を切り裂く




ブシュッ









NOside








たった二つの刀が、


逆光する刀が、


二つの首をためらいもなく




ブシュッ




はねる








赤は曇天の空に舞い散る





ピシャリ





壁、床、顔、手、刀、着物





全てのものに飛び散る







二つの刀から血を垂らす者は顔を歪めることなく





綺麗で何処までも美しい笑顔を浮かべる








命を奪ったとは思えないような鮮やかな笑み









赤く

紅く

あかく

アカク





生きていたという証拠の血



そんな"赤"が恐ろしく見えたり、美しく見えたりする




それはきっと、それを浴びる者のよって変わるもの





こんなに簡単に命が奪えるのは生命を持つ者だけ









ゆっくりゆっくり、時間をスローにしていく血は



鉄を錆びさせるのと同じ原理かもしれない



血が血管から漏れ出し心臓を錆びさせていく



一瞬で









人間の時間を錆びさせるのは、








『ははっ………』






文字を読むよりも簡単なのだ………

五十二→←五十



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ユユき(プロフ) - 3シリーズに入る事ができました!読んでくださっている方々!誠にセンキューです!これからも読んでください!ってかむしろ応援してください! (2016年6月9日 22時) (レス) id: 96ef1d08f6 (このIDを非表示/違反報告)
にーにゃの小龍包 - グロかったけど、超面白かったです☆爪いたそう。。。続き楽しみです!!(*^◯^*) (2016年6月1日 15時) (レス) id: c55e279bdf (このIDを非表示/違反報告)
ユユき(プロフ) - みみみ皆様!投票ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2016年5月31日 22時) (レス) id: 96ef1d08f6 (このIDを非表示/違反報告)
味噌汁,s - 1に投票します…!! (2016年5月29日 19時) (レス) id: 8257172c04 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 1でお願いします! (2016年5月28日 18時) (レス) id: be98b20e7a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユユき | 作成日時:2016年5月2日 0時

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