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隆二side
ツーコールで、Aが電話に出た。
『もしもーし。隆二、どうしたの?』
「仕事、終わった?」
『今、終わったところ。』
「一緒に帰ろう。」
『もしかして、ありがとう。』
迎えに来たことに気づく、A。
「早く来てよ。」
高橋さんが戻って、Aと会う前に。
『はいはい、今すぐ行きますよ。』
「A、好きだよ。」
『へっ?きゅ、急に、なんなん?!』
「何でもないよー。じゃ、待ってるからね。」
そう言って、俺は電話を切った。
「はぁ〜。何、言ってるんだか。」
あなたside
『・・・変な隆二。』
携帯をジッと見つめていると、声をかけられる。
「A、お疲れ。」
声のした方を振り向く。両手に缶コーヒーを掲げて、高橋が立っていた。
『高橋、お疲れ様。』
「おい、大丈夫か?顔、赤いけど。」
心配そうに歩み寄ってくる、高橋。
『うん、大丈夫やで。』
「そっか、ならいいけど。そうそう、さっき下でさ、今市さんに会った。かっこいいよなぁ。」
『せやろ。』
「ドヤ顔、してんじゃねぇーよ。」
『してへんわ。』
思いっきり、したけど。
「いやいや、結構なドヤ顔でしたけど?」
私の顔真似をしてくる高橋。
『あほちゃう(笑)』
「あのう。」
可愛らしい女性の声が聞こえる。
まさか、高橋の彼女?
『彼女?』
コソッと聞く。
「ばーか。七海ちゃん、おいで。」
七海ちゃんと呼ばれた彼女は、小走りでこちらへと来た。
うらやましい揺れ具合いやなぁ。って、どこ見とんねん、私。
七「本当にお邪魔じゃないですか、私。」
「全然。こちら、」
『三代目のヘアーメイク担当の方ですよね?』
「はい。アシスタントの七海 純です。」
『で、高橋の彼女さん?』
七「違いますよ。それは、Aさんですよね?」
『ない、ない。ただの同期です。』
七「えー、本当ですか?」
『うん。』
手に持っていた携帯が振動する。隆二からだ。
『やばっ。』
「飯、行かないか?三人で。」
『ごめん、帰らなあかんねん。』
「なんか、用事?」
『お腹空かせて、待ってはるからなぁ。また、今度な。』
七「ペット飼ってらっしゃるんですか?」
隆二の事を言えるわけあらへんし。
『せやねん。ちょっと、大きい犬?』
「今日は、しょうがない。またな。お疲れさん。」
『お疲れ様。七海ちゃんも、またね。』
私は二人を残して、足早にその場を去った。
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作者名:薫 | 作成日時:2016年11月16日 3時