ライバル? ページ15
七「隆二さん。Aさんと高橋さんの噂、知ってます?」
ヘアメイクのアシスタント・七海ちゃんが、俺の髪をセットしながら話しかけてくる。
またか。社内の噂話、特に男女が絡むと広まるのが早い。
ここ最近の噂の的は、二人で出張に行っていたAと高橋さんのようだ。
臣「どんな噂?」
隣の席で髪のセットをしている臣が、しれっと会話に入ってくる。
七「二人で出張に行って、宿泊先のホテルが同室だったらしいですよ。」
臣「さすがに、それはないでしょ。」
ない、ない。そんな話、Aから聞いてないし。
七「でもあの二人なら、あってもおかしくないと思います。」
「どうして?」
七「だってあの二人、昔付き合っていたみたいですし。」
隆・臣「「えっ、マジ?!」」
臣「それこそ、噂でしょ?」
「そ、そうだよ。」
七「でも、高橋さん本人から聞いたので間違いないですよ。」
臣が、鏡越しにチラッと俺の様子を窺ってくる。
心配かけまいと思い笑顔を見せようとしたが、上手く笑えなかった。
七「あの二人、絶対復活してますよ。」
臣「どうだろうねぇ。」
七「さっきも通路で見かけた時、二人だけの空気が出てましたし。高橋さんがAさんを見る視線が、何かもういい感じで。Aさんも高橋さんを見上げる視線が、こうキュンキュンしてました。」
七海ちゃん、何かもういい感じって・・・なに?
見上げる視線が、キュンキュンって・・・なに?
「・・・はぁ。」
思わず視線が、下がってしまう。心配そうに、俺を見ている臣。
そんな俺の様子を見て、七海ちゃんの口角が上がっていたなんて気づきもしなかった。
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作者名:薫 | 作成日時:2016年11月16日 3時