Dear my besties 15 〜from Finally〜

☆ ページ14

Aは体調の悪い日が増え、眠っていることがほとんどという日も多くなっていた。

なにより不安なのは直己に焦りがみえてきたことだった。


もちろんAの前では決してそんな表情は見せない。


ただ、眠っているAを病室に残して家族で談話室で話しているときには苦しげな表情になることが増え、オレたちにも弱音のようなものを吐くことが増えてきた。


「本当は患者の家族にこんな情けないことを言ってはいけないんですが……」


そう言ってうつむく直己をみんなが慰める。


「しょうがないよ、せんせーも家族なんだもん」

「吐き出す場所が他にないもんな。いいんだよ、直己」


結花ちゃんとオレが言うと臣が無言で直己の肩を抱き、エリーはおどけて踊ってみせる。「ぜーんぜん問題なし！ これからっしょ！」



家族がいてよかった。



たぶんその場にいる誰もが常にそう思っている。


大人になりきれていないようなでこぼこなオレたちだけど、家族みんなでいることでどうにか社会人としてやっていけている部分がある。最近のオレたちはそう気づき始めていた。


そしてこの家族を引き合わせてくれたのがAだった。



そのAがいなくなるかもしれないなんて。

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